2016 Fiscal Year Research-status Report
新任養護教諭の職務困難ストレス対処のための支援デザインの構築
Project/Area Number |
16K01766
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
上原 美子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10708473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中下 富子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50398525)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 新任養護教諭 / ストレス対処 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の成果として、情報収集として、国内外のストレス対処力に関する文献や最新情報の収集を行った。 研究として一つ目はプレ調査である埼玉県養護教諭1,000名を対象とした日本語版SOC29 項目版調査結果の量的分析をし、論文としてまとめた。SOC総得点と基本属性および職務に関連する経験との関連については、「保健主事経験」「看護師免許」において有意差がみられた。「保健主事経験があり」「看護師免許があり」が有意に高かった。。 「学校種」「年齢」「経験年数」「特別支援コーディネーター」「兼任発令」「他の学校種経験」「経験学校数」「経験市町村数」には有意差がみられなかった。 二つ目は、新任養護教諭5名の困難感についてのインタビューを実施し、M-GTAを参考に質的分析を行い、英文の論文としてまとめた。カテゴリーは、【職務の多忙さ】【自身の力量不足】【周囲からの介入への対応】養護教諭間の人間関係】であった。生成された13の概念は〈養護教諭の職務内容の多さ〉〈予想以上に多い事務作業〉〈仕事の悩みを共有できない〉〈児童生徒の訴えへの判断と対処に迷う〉〈保健室に求められて いることにとまどう〉〈突発的な事故への対応〉〈必要な知識や技術不足〉〈教職員のアドバイスに振りまわされる〉〈複数の養護教諭指導者のアドバイスへの迷い〉〈保護者の求める救急処置がむずかしい〉〈担任の判断に基づいた対応のしにくさ〉〈養護教諭の複数配置の場合の仕事の進め方に迷う〉〈他校の養護教諭とのつきあい方〉であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新任養護教諭研修会担当者等を対象としたインタビューについては、業務繁忙期を避ける配慮が必要であるため、当初の5月実施の予定がずれ込んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、ストレス対処力を高めるためには、良質な人生経験が必要であるということが言われている。このことから、新任養護教諭研修会等担当経験者の新任養護教諭の職務上の良質な人生経験や身に付けるべき力等、インタビュー調査を実施する。 また、定年退職を迎えた元養護教諭のインタビューデータをもとに、質的分析を試みる。 これらを踏まえて、養護教諭のストレス対処力に関わる「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」の向上を支援できる「養護教諭のためにキャリアノート(案)」を作成する。
|
Causes of Carryover |
すでに実施済みの埼玉県における1000名を対象とした調査データを活用しプレ調査としたため、調査にかかる費用を使用しなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
①インタビュー調査の実施:ストレス対処力を高めるためには、良質な人生経験が必要であるということが言われている。このことから、新任養護教諭研修会等担当経験者の新任養護教諭の職務上の良質な人生経験や身に付けるべき力等、インタビュー調査の対象者を増やすため、旅費等に使用する。
|
Research Products
(10 results)