2016 Fiscal Year Research-status Report
姿勢の悪化、体力低下、痩身志向の歯止めに向けた検討-筋量・筋力に着目して-
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16K01779
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
太田 めぐみ 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (20434342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体組成 / 筋力 / 姿勢 / 活動量 / 痩身願望 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年女性を対象に、身体組成、筋力、体格、姿勢、運動習慣、痩身願望、栄養状態の関連を明らかにすることである。平成28年度は、20代前半および30代の女性を対象に測定を行った。 20代の女性に関しては、予備的な調査として121名を対象に、生体電気インピーダンス法による身体組成の測定と、生活習慣、痩せ願望と自己体型に関するアンケート調査を実施した。身体組成の結果から、対象者を普通群(BMI:25.0未満かつ体脂肪率:25.0%未満、n = 58)と隠れ肥満群(BIM:25.0未満かつ体脂肪率:25.0%以上、n = 61)に分け、分析をした。その結果、隠れ肥満群では、自身の食生活が適正でないと評価する者の割合が、普通群に比べ高いこと、自己体型を肥満傾向と評価する者が多いことが示された。 さらに、ここから29名を無作為抽出し、筋力、活動量、栄養状況などの詳細な測定・調査を実施した。その結果、(1) 摂取エネルギーと身体組成、筋力、身体活動量、痩身願望との間に有意な相関関係は認められなかった。(2) 体幹の筋力は普通群で有意に高値を示した(p = 0.011~0.043)。骨強度、摂取カロリー、身体活動量も、普通群で高値を示したものの、統計的有意差は認められなかった。(3) 体脂肪量や体脂肪率が高い者ほど、自己体型を「太っている」と評価する傾向が認められたが、筋量と体型認識の間に関係性は認められなかった。(4) 隠れ肥満群で穀類の摂取量が少なく、脂質エネルギー比率が高い傾向がみられた。 以上の結果から、若年女性が筋量よりも脂肪量に意識が向いていることや、身体活動量および食生活が体型に影響を与えていることが示唆された。今後データを増やしていき、それぞれの変数の関係について詳細に検討をしていきたい。なお、30代の女性については、現在データ分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、10代後半から20代前半の女性およそ60人を対象に測定を行う計画であった。実際に測定を行ったのは、20代前半および30代の女性42名であった。人数的には計画より少ないものの、予備的な調査で121人のデータを得ることができた。また地域の子育て支援サークルなどから研究協力者を得ることができた。これは、平成29年度以降の協力者確保に向け、大きな成果と言える。 平成28年度は、10代後半を対象にした測定を見送ったが、この年代の協力者は、本学学生を予定していることから、平成29年度に比較的容易に確保・実施できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は10代後半および20代後半を対象の中心として測定を行う。大学近隣の子育て支援センター・サークル等への働きかけを引き続き行うことで、30代についてもさらなる協力者の確保を目指す。また、市民講座や健康教室を開催し、その参加者に働きかけるなどして、対象者の確保に努める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、謝品の支払い金額やフィードバックに要する費用が計画と異なったことによる。30代の協力者・13人については、謝品の受け渡しを平成29年度に入って行うことになった。そのため、平成28年には、支出がないこととなった。20代前半の協力者・29人については、謝品の金額を変更することとなった。計画では、1人あたり5,000円を予定していたが、実際に渡した謝品は1人あたり1,000円であった。これは、20代前半の研究協力者が所属する大学の教員から「学内のその他の研究との兼ね合いがあるので、謝品は1,000円程度に抑えて欲しい」との要望があったことによる。さらにフィードバックも郵送ではなく直接行ったため、支出がないこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者への謝品や測定結果のフィードバックに要する費用、測定補助者への謝金として使用する。
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