2018 Fiscal Year Research-status Report
姿勢の悪化、体力低下、痩身志向の歯止めに向けた検討-筋量・筋力に着目して-
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16K01779
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
太田 めぐみ 中京大学, 国際教養学部, 教授 (20434342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 身体組成 / 姿勢 / 筋力 / 身体活動量 / 痩身願望 |
Outline of Annual Research Achievements |
生涯に渡って健康で活動的な生活を送るためには、運動習慣を持つことや充分な筋量の獲得が不可欠である。しかし、若年女性については、姿勢が悪いと自覚する人が多いこと、運動実施率が低いこと、痩せている人が多いことが指摘されている。これらはいずれも、筋量・筋力のレベルに影響を与えている/依存すると考えられる。そこで、本研究は10代後半から30代の女性を対象に、身体組成、筋力、体格、姿勢、運動習慣、痩身願望、栄養状態の関連を明らかにすることを目的としている。 平成30年度は、30代の被検者の測定、平成28~29年度に取得したデータの分析、学会におけるこれまでの研究成果の発表、および被検者を確保するための働きかけを行った。 30代に焦点を当て、現在または過去に定期的な運動習慣がある(あった)群となかった群で、どのような差異があるか分析を試みたところ、①身体組成や発揮筋力に運動習慣による差はない(p = 0.089~0.966)。②1日の歩数、歩行時間、3METs以上の活動時間は、運動習慣がある群で有意に高い(p = 0.003~0.031)。という結果が得られた。運動習慣と身体組成および発揮筋力との間に明確な関係が示されなかった理由として、運動習慣がある群には、運動開始から2年程度しか経っていない人や、運動を中止してから10年以上経っている人が含まれていること、女性は子育てによって筋量が増えることが指摘されていることが考えられた。さらに今回の分析において、運動習慣がある群では、就業者が多く、年齢が高い傾向にあることも示された。こうした状況は、時間的な余裕の有無が、運動の開始・実施に関与している可能性を示唆している。そこで、質問紙を用いた調査において、子どもの人数や年齢、家事・育児にかかる時間、自身が自由に使える時間といった項目を追加して、より詳細な検討をしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
30代の被検者を増やす働きかけをしてきたが、研究代表者が平成30年度より所属学部の役職者となり、業務多忙となったため、測定日程の調整が難航し、測定の実施に至ることが少なかった。 骨強度測定装置から水漏れが起きるなどの不具合が生じ、測定を中止せざるを得ない状況になった。今年度、所属機関の予算で同じ装置の代替購入が可能となったことから、装置納品後から測定を再開する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、10代後半および20代を中心に被検者の確保を図る。30代についてもさらなる被検者の確保を目指す。新たな被検者の確保が難しい場合は、縦断的なデータを増やすことにより、運動習慣や栄養状態による変化についての検討を行うこととする。また、20代前半の被検者の確保にあたっては、所属機関に在籍している学生等に告知をすることで、一定数の確保・データの取得が可能と考えている。 光学3次元人体形状計測装置に可搬性がないことが、被検者確保の妨げになっている部分がある。静止画像やメジャーを使用した測定に切り替え、学外における測定も行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者が平成30年度より所属学部の役職者となり、業務が多忙になったため。また、被検者の確保や測定時間の調整に時間がかかっているため。装置に不具合が生じたため測定を一時中止したため。 主として被検者への謝金および測定補助者の謝金として使用する。また研究成果の発表のための学会参加旅費、論文投稿料として支出する。
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Research Products
(1 results)