2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K01786
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
七里 佳代 新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 講師 (60235538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 智香子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80359702)
渡邉 真弓 新潟大学, 医歯学総合病院, 技術補佐員 (80751049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | BDI得点 / コルチゾール / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の平成28年度の研究実績を報告する。 当初の研究実施計画では平成28年度中に「精神的健常群」と「精神症状発現群」をそれぞれ50名、計100名を対象とすることを目標としていたが、特に「精神的健常群」の協力者が得られにくい現状に直面した。また「精神症状発現群」についても50名の協力者を獲得することには困難を生じた。そのため本年度はこれまでに協力を得られた「精神症状発現群」15名を対象に各種検査をおこなった結果の概要を報告したい。 「精神症状発現群」の15名に対して研究実施計画に従って、精神医学的検査、生体情報検査、伝統医学的検査を実施した。現在までに確定した数値を得られている①BDI(ベックうつ病評価尺度)得点、②CMI(コーネル・メディカル・インデックス)身体症状得点、③CMI精神症状得点、④血中コルチゾール値、⑤血中セロトニン値に関連した解析をおこなった。5変数の分布は①BDI得点(12.2±9.8)、②CMI身体症状得点(28.9±18.5)、③CMI精神症状得点(17.5±10.5)、④コルチゾール値(8.6±3.1)、⑤セロトニン値(168.5±75.7)であった。BDI得点を従属変数、CMI身体症状得点、CMI身精神症状得点、コルチゾール値、セロトニン値の4変数を独立変数とした重回帰分析では、重相関係数R=0.625、決定係数R2=0.391であった。また標準回帰係数βは、4変数の順に、-0.716、0.669、0.376、-0.293であり、相関係数γは、4変数の順に、-0.063、0.243、0.308、-0.231であった。これらの結果から、生体情報検査によって示されるストレス強度と精神症状の関連が強く示唆される。 なお、生体情報検査の詳細、伝統医学的検査の詳細については研究分担者が現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「精神的健常群」での協力者が得られにくいという現状に直面した。 また「精神症状発現群」の対象者も当初目標の50名を下回った。しかし、現在までに得られているサンプル15名に対しては当初実施計画に沿った検査項目が実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べた通り「精神的健常群」の協力が得られにくいという現状がある。精神医学的検査、生体情報検査、伝統医学的検査のすべてを網羅して被験者となることに時間的コストも含めて負担感が大きいという実情があった。そこで今後の研究の推進方策としては「精神的健常群」に関して比較的協力を得られやすい可能性の高い精神医学的検査を中心にデータ収集を進めていく方策を考える。 次に「精神症状発現群」に関しても、今後1~2年間で「治癒例」に移行する症例数が確実には見込まれない可能性があり、場合によっては治癒例なしで解析することも想定している。今後は更に、得られるデータの解析精度を上げるための努力を重ねる。
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Causes of Carryover |
研究実施計画による当初の被験者数が予定を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者数のさらなる増加を目指すための費用に充てたい。
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