2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01786
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
七里 佳代 新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 講師 (60235538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 智香子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80359702)
渡邉 真弓 関西医療大学, 保健医療学部, 研究員 (80751049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神的健常群 / 精神症状発現群 / 免疫機能 / 伝統医学的診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の平成30年度の研究実績の概要を報告する。 平成29年度報告書での「今後の推進方策」に記したとおり、「精神的健常群」の精神医学的データを収集・解析して学会発表した(Efficiency of defensive functioning scale:Correlation to Beck's Depression Inventory,13th World congress on Healthcare & Technolpgies,Dublin,Ireland,2018.6.14-15)。本年度は続編を発表予定である(14th World congress on Healthcare & Technolpgies,London,UK,2019.7.22-23)。 平成28年度中に得られていた「精神症状発現群」の生体情報検査データの診断別解析の結果では、自閉スペクトラム症群と適応障害群について、末梢体表温度が低く、末梢の血流循環が低い傾向が示された。自閉スペクトラム症群では顆粒球、NK細胞、NKT細胞が関わる自然免疫増強傾向がうかがえた。自然免疫増強傾向はストレスホルモン反応性との関連が報告されているが、自閉スペクトラム症群ではストレスホルモンであるコルチゾールとアドレナリンは低下しており、ストレスホルモン反応性とは関連性が低いと考えられた。一方、セロトニンとNk細胞の関連性についてはうつ病者におけるSSRI投与後のNK細胞活性の上昇が報告されており、自閉スペクトラム症群におけるNK細胞の増加傾向にセロトニンが関与している可能性が示唆された。 また「精神症状発現群」の伝統医学的検査データ(舌診)の分析結果では、自閉スペクトラム症群の舌像は様々であった。適応障害群では「点刺」が多い傾向が認められ、精神的ストレスが関係して発生するとされる中医理論に合致していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の学会発表が次年度に繰り越された。
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Strategy for Future Research Activity |
「精神症状発現群」の治癒症例が、再発等もあり、結果的にこの3年間で得られず、精神疾患の治癒には長期間を要することをあらためて実感させられた。「精神的健常群」で協力を得られやすかった精神医学的検査ではデータ収集が進み、これらの結果については2019年度の第119回日本精神神経学会や14th World congress on Healthcare & Technolpgies,London,UK,2019.7.22-23で順次発表を予定している。次年度では最終的に『精神免疫』概念の総合的な明確化に結び付けて本研究をまとめたい。
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Causes of Carryover |
予定していた人件費・謝金が発生しなかったため。次年度は本研究課題の成果発表として、学会発表および論文投稿を予定している。
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Research Products
(2 results)