2017 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿世界一を目指す先進的地域保健医療システムの開発
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16K01789
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
横川 吉晴 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50362140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 宏哉 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (10362138)
伊澤 淳 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50464095)
広田 直子 松本大学, 大学院 健康科学研究科, 教授 (60218857)
上村 智子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (80280204)
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (90381079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 健康長寿 / 地域保健システム / 生活習慣病予防活動 / 身体活動量 / ロコモ度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は長野県松川村にて、1)健康長寿健診、2)健診結果報告会での食事内容測定・指導、3)中学生とその母親の食事習慣調査を行った。1では、県内参照町村データとの比較、健診項目と生活習慣の関連を明らかにした。2では、報告会参加者の朝食内容を測定し結果をフィードバックした。3では、中学2,3年生とその母親を対象にした食歴調査を実施した。 国保データベースから松川村と同規模町村の特定健診問診項目の関連を検討した。喫煙率や10kg以上の体重増加率、睡眠不足者の割合が低く、一日一時間以上の歩行者割合が高いことを認めた。健診参加者は915名で、身体活動環境評価を行った者は519人(56.7%)だった。6割以上が肯定的評価の項目は、屋外運動施設へのアクセス、歩行の安全性、車の必要性、地域の景観の4つだった。93名が身体活動量を測定した。一日平均歩数±SDは6596±3289だった。ロコモ度3群(非該当・ロコモ度1・ロコモ度2)の比較で、アルブミン値・一日平均歩数の差を認めた。 結果報告会参加者555名で、主食を米とする者は67.6%だった。朝食に主食を摂らない者は全体の5.2%だった。主食を米とする者で、1食当たりのご飯量を適量(120~200g)とする者は33.9%だった。主食をご飯とする者のうち46.4%が120g以上の野菜を摂取した。朝食に主食なしの者のうち79.3%が、野菜摂取量が120g以下だった。 母親と男子生徒の組合せである74組と、母親と女子生徒の組合せである57組について、栄養素等41項目(脂肪酸の一部などを含む)の摂取量と食品群別摂取量(15群)について粗摂取量(以下、粗値)と栄養素密度法で調整した摂取量(以下、密度法)の相関について分析した。男子では粗値7項目と密度法6項目が、女子では粗値13項目と密度法12項目が関連を認め、いずれも相関係数が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究予定は以下の5点であった。1)長野県内比較対照地域を選定し生活習慣調査項目を比較する。2)健康長寿健診の実施。3)社会環境と健康度の関連の検討。4)主食摂取量、野菜摂取量の把握。5)軽度認知症者を支えるプログラムの開発。1)に対して:対照地域として予定していた同規模の自治体の協力を得ることができなかったが、国保データベースから同規模町村との比較検討を行うことができた。これにより特定健診問診項目で取り組みのよい生活習慣を明らかにすることができた。2)に対して:健康長寿健診から運動機能の測定からロコモ度との関連を示すことができた。調査協力者数は少なかったが、新しく健診受診者の身体活動量を体力指標の一つとして客観的に確認することができた。3)に対して:健診に付随した質問紙調査により、健康に関連する要因として身体活動環境の主観的評価を確認することができた。4)に対して:結果報告会参加者の朝食摂取内容の調査から、主食の摂取頻度を明らかにすることができた。これらは平成29年度予定していた5つのうち4つの課題を遂行できたこととなった。5)に対して:しかし、アラーム付き薬入れ装置を用いた軽度認知症者の暮らしを支えるプログラム開発では、周知活動と予備調査にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では平成28年度の初回データ(生活習慣項目)と平成29年度および30年度の指標(ロコモ度、運動機能等)との関連を検討し、健康に寄与する要因を明らかにしてゆく。平成29年度予備調査となった軽度認知症者の暮らしを支えるプログラム開発では、アラーム付き薬入れ装置を用いた活動を通じて進めてゆく。その上で、地域連携協定を図ってきた対象地域である松川村に対して、長寿に関連した課題の解決に向けた改善策の素案を作成提示してゆく。
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は平成30年度請求額と合わせて消耗品費、学会発表、論文作成に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)