2017 Fiscal Year Research-status Report
経時的栄養介入による非アルコール性脂肪性肝疾患患者のサルコペニア改善効果
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16K01795
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
樋本 尚志 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20325343)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / サルコペニア / 肥満 / 体脂肪率 / IGF-1 / 摂取エネルギー量 / 栄養療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画書に基づいて、平成29年度以降に行うこととして取り上げた課題に取り組んだ。本研究は、協力病院の倫理委員会にも承認され、患者の善意ならびに病院スタッフの全面的な協力により対象症例は順調に集まり、現在まで目標としている症例数の約7割を確保することが出来た。四肢骨格筋量および握力の測定、栄養療法の導入および残余血清の確保は順調に行うことができ、対象としている非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) 患者におけるサルコペニアおよびサルコペニア肥満の頻度、さらにはサルコペニアに関与しそうな血液生化学的および栄養学的因子の同定について、これまでの臨床データを集計、解析して学会で発表する予定である。学会で本研究の途中経過を発表し、専門家との討論や意見交換を行って、今後の研究方針を修正または変更していくことにしている。 対象症例は順調に集まっている反面、経時的に四肢骨格筋肉量や握力を測定したり、経時的に栄養療法を行ったりした症例は十数例にとどまっているのが大きな問題点であり、さらに症例を集積させる必要がある。NAFLD患者の治療は運動療法、栄養療法が主体であるが、これらの治療を一度だけ受けるのでは効果が不十分である。これらの治療を繰り返して、治療によって得られたデータを患者本人にフィードバックしてこそ治療効果を発揮するものと考えている。このことを患者に十分説明し、経時的なフォローアップが行えるよう対象患者のさらなる確保に努めてまいりたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が協力病院の倫理委員会にも承認されて、患者登録は概ね順調に行われており、これまでのところ、目標症例の約7割は確保された。残り1年で目標症例数に到達できる見込みである。これまで集積されたデータをもとに途中経過を学会で発表し、専門家の意見を伺いながら今後の研究計画を修正または変更していく予定である。 対象症例は順調に集まっている反面、経時的に四肢骨格筋肉量や握力を測定したり、経時的に栄養療法を行ったりした症例の登録が十数例にとどまっているのが本研究の大きな問題点である。NAFLD患者の治療は運動療法、栄養療法が主体であるが、これらの治療を一度だけ患者に指導するだけではそれらの効果は不十分である。これらの治療を繰り返して、治療によって得られたデータを患者本人にフィードバックしてこそ治療効果が発揮できると考えている。このことを患者に十分説明し、経時的にフォローアップ可能な患者数の確保に努めてまいりたい。
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Strategy for Future Research Activity |
問題点としては、「サルコペニア肥満」に関する定義そのものが曖昧であり、今回はBMI 25以上でサルコペニアの基準を満たすものを「サルコペニア肥満」と定義した。当初の予想に反し、登録したNAFLD患者のなかにはサルコペニア肥満の範疇を満たす症例がこれまでのところみられていない。逆に、非肥満者においてサルコペニアの範疇を満たさないが四肢骨格筋量が低下している症例が以外に多く、これらの症例に対してどのような栄養介入または/および運動介入が効果的かを経時的に検討していくことが非常に重要であり、今後の検討課題の一つと思われた。 対象症例は順調に確保できた半面、経時的に四肢骨格筋量や握力を測定したり、経時的に栄養介入を行ったりした症例は十数名にとどまっているのが本研究の抱える大きな問題点である。NAFLD患者には、一度だけでの栄養介入および運動介入だけではそれらの効果は不十分であり、経時的に複数回、栄養介入および運動介入を行って患者にそれらをフィードバックしていくことで脂肪肝および四肢骨格筋肉量にどのような効果が表れたかを検証していくことが重要であることを対象患者に力説し、症例を増やす努力をしなければならないと思っている。特に、四肢骨格筋肉量が低下している症例については、継時的に栄養介入、運動介入していくことが重要であり、患者自身にデータをフィードバックし、適切に介入して脂肪肝ならびに四肢骨格筋量の改善に取り組まなければならない。
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Causes of Carryover |
当初予定した国際学会に出席してサルコペニアに関する最新の知見を習得する予定であったが、国際学会のかわりに国内での学会に切り替えたため、残額が生じてしまった。 今年度は、国際学会に発表して専門家と討論および意見交換を行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)