2017 Fiscal Year Research-status Report
高圧空気カプセルによる心身の健康効果に関する臨床研究
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16K01803
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
櫻井 進 天理医療大学, 医療学部, 教授 (50375515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光紀 産業医科大学, 産業保健学部, 訪問研究員 (80333384)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 准教授 (40454798) [Withdrawn]
宮川 幸代 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (20614514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Hyperbaric Air Therapy / 乳酸測定 / 運動負荷 / 疲労軽減 / サイトカイン / 感覚機能検査 / 高圧空気カプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高圧空気カプセルによる疲労軽減効果の評価にあたり、 (1)高圧空気カプセル(ノースパラマ社製オルカ)の負荷条件(真は1.50、偽は1.05気圧70分を3日連続実施し、少なくとも2週間の休止期間をあけてクロスオーバー試験を行う)を設定した。 (2)運動処方は下肢エルゴメータ(Monark社製)を利用し、体重あたり一定の負荷抵抗値を個々に設定し、50サイクル30秒間負荷とした。負荷中および負荷終了後も心電図モニターなどをおこない、負荷後は疲労度尺度を用いて疲労度を確認した。 (3)乳酸値測定キット(Arkley社製)を使用し、運動直後から2分おきに指先末梢血にて乳酸値を計測した。ピーク値から2/3以下に減少した時点で測定終了とした。 (4)疲労に関する数種類のバイオマーカーの測定を行った(IL-4、IL-6、IFN-γ、TNF-α、血中チオレドキシン、高感度CRP、血中コルチゾール、抗利尿ホルモン)。採血は真および偽負荷3日間連続利用直後に行った。 (5)関連する感覚機能検査として、視覚・嗅覚・触覚・味覚検査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の計画に沿って研究を行った結果、 1.真HBAT3日間連続実施日の運動負荷後の乳酸値変動は、偽HBATによる同様のデータと比較し、乳酸値上昇が軽減された。2.疲労に関する数種類のバイオマーカーのうち、サイトカインの一部項目は検出限度以下が散発したが再解析中である。3.運動時の最高心拍数、視覚・嗅覚・触覚など各種感覚機能検査に有意な差は現在までに認められていない。4.味覚検査については、弱高圧・常圧に加えて、弱低圧環境下でのデータ収集を続行中である。5.これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.非アスリート集団は前年度と同様に研究を進めることにする。アスリート集団は準備が出来次第開始する。2.サイトカインの一部項目は検出限界以下の対象が多く2群比較が困難になる可能性があり必要に応じて項目などを見直すこととする。3.海外研究者との共同研究については再度日程調整する予定である。4.研究代表者および分担研究者の所属機関異動に伴い、使用機材が変更になった場合には正確性、再現性などを再確認する予定である。5.本研究は、常圧と弱高圧環境の相違を研究するものであるが、弱低圧環境での各種感覚機能検査についても調査を拡大する予定である。
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Causes of Carryover |
科研費支出基準と 当該大学事務局の同基準の解釈の相違を元にした、本研究遂行に必要な物品機材購入、消耗品購入、研究出張経費清算において誤解をきたし、本来求められる、より有効で効果的な予算執行において支障をきたした。より柔軟で検証可能なシステム構築を要望する。 当該年度での支出予定の助成金は、それほど急を要する支出内容ではなかったが、今後、急を要する支出請求に、どの程度対応できるのか、不安を及ぼした。 このため、新年度における執行が可能なように事前調整を行うこととした。現在、確定している調査(2018年3月31日海外調査終了分)を清算中であり、一部の費用支出が認められない場合、翌年度に繰越となる予定である。
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