2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on maintenance of food access ability of community-dwelling elderly population-Suggestion from dietary assessment-
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16K01804
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
木村 安美 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (00552415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 收二 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授(移行) (80252922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 介護予防 / サルコペニア / フレイル / 栄養評価 / 食料品アクセス |
Outline of Annual Research Achievements |
食料品等の買い物は日常生活の基盤であり、地域社会で自立した生活を営む上で不可欠なものである。しかし、流通機構の変化や進展する高齢化により、高齢者を中心として食料品等の日常の買い物が不便や困難な状況に置かれている人々(買い物弱者)が数多く発生し、社会的な課題となっている。本研究の目的は、住み慣れた地域で長く自立して生活するための、食生活・栄養面からのアプローチについて検討することである。本研究では、買い物の基本的な移動手段として必須である歩行能力の維持を妨げるサルコペニア(加齢に伴う筋力の減少、または老化に伴う筋肉量の減少)の要因となる食事因子を探索することにより、食料品へのアクセス能力を維持するための検討を行った。 栄養素摂取量の推定には妥当性が検証されている食物摂取頻度調査票を用い、質問紙を用いて生活習慣、買い物環境に関するデータを得たほか、提供を受けた血液サンプルを用いて栄養関連指標を測定した。 データを分析したところ、サルコペニアに関連する食事因子として、たんぱく質、ビタミンD摂取量の低摂取と炭水化物摂取割合の上昇、および食事量の減少、歯の本数が少ないことが関与していることを見出した。また、筋肉量低値に低BMIが関わる可能性が示唆された。4年間追跡の結果における筋肉量の低下に関与する因子については、有意な関連を認めなかった。追跡研究における筋肉量の低下に関与する因子については、なお詳細な検討が必要であると考えられた。 今回の研究から、たんぱく質、ビタミンDの充分な摂取がサルコペニアに予防的に関連していることを示すデータが得られ、それに加えて食事量の確保、適正なBMI、咀嚼能力の保持が食料品アクセス能力の維持に有効であることを示唆する疫学的知見を提供した。
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