2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01812
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 従道 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80572619)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | インスリン感受性 / 骨格筋 / 伸展刺激 / 糖取り込み / メカノトランスダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な細胞から分泌されるエキソソームは情報伝達物質、疾患のマーカーなどの作用が報告されているが、詳細は全く不明である。研究計画書に記載した予備実験にて、骨格筋培養細胞に伸展刺激を加え、分泌されるエキソソームに培養脂肪細胞での糖取り込み作用を有することを示した。本研究によりさらなる検討を行ったところ、脂肪細胞でのインスリン刺激による糖取り込み機構をも促進することが明らかとなった。つまり、骨格筋から分泌されるエキソソームに脂肪細胞でのインスリン作用を増強することが明らかとなった。インスリン刺激による糖取り込みに重要な分子の阻害剤を用いた検討から、エキソソームによるインスリン刺激による糖取り込み増強作用は、インスリンシグナルとは独立していることを発見した。このことは運動刺激による骨格筋、脂肪組織での糖取り込み増強作用に類似しており、運動刺激によるインスリン感受性増強作用の一端を説明できるかも知れない。運動刺激による糖代謝改善作用は不明な点が多く、本研究を推進することにより、新たな糖代謝改善機構を解明する可能性があると考えている。 基底状態において分泌される小胞(エキソソームを含む)には脂肪細胞でのインスリン刺激による糖取り込み促進作用は認めなかった。そのため、伸展刺激により分泌される小胞に糖取り込み促進作用を有する物質が含有されていることが明白となった。そこで計画書通り質量分析によるエキソソーム内に発現するタンパクを網羅的に解析したところ、複数の興味深い結果を得た。現在それらタンパクをsiRNAを用いて培養骨格筋内での発現を抑制させて、伸展刺激後のエキソソームを単離し、インスリン刺激による糖取り込みが変化するかを観察している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エキソソームの作用発現にはその中に含有されるmiRNAやDNAが主要な役割を有し、遺伝子発現を介していると考えられている。私の予備実験では糖代謝作用に関係するエキソソームは、miRNAのみでは含有タンパクが重要であると仮定していた。今研究から、エキソソーム含有タンパクにも糖代謝変化させることが予想される分子が同定され、計画書通り進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画書通り、骨格筋培養細胞内で同定したタンパクを発現抑制し、エキソソームの糖取り込み作用をin vivoで解析していく。またエキソソームを高効率に単離、精製する条件設定を行っていく。 目的タンパクをエキソソーム内で標識させることが可能であり、マウスに投与してマウス内での挙動、糖代謝改善作用をin vivoで解析する予定である。
|
Causes of Carryover |
申請時より消耗品が大幅に値上げしていた。そのため当初予定していた数の物品を購入することが出来ず、使用額内で最大数の購入をした。そのため、当初予定した使用額と差額が生じたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた差額分を次年度消耗品購入分と合算して新たに消耗品を購入する予定である。
|
-
[Journal Article] APPL1 promotes glucose uptake in response to mechanical stretch via the PKCζ-non-muscle myosin IIa pathway in C2C12 myotubes2016
Author(s)
Tsugumichi Saito, Shuichi Okada, Yoko Shimoda, Yuko Tagaya, Aya Osaki, Eijiro Yamada, Ryo Shibusawa, Yasuyo Nakajima, Atsushi Ozawa, Tetsurou Satoh, Masatomo Mori, and Masanobu Yamada
-
Journal Title
Cellular Signalling
Volume: 28
Pages: 1694-1702
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-