2018 Fiscal Year Annual Research Report
ChREBP regulates blood glucose level via the expression of GLUT2
Project/Area Number |
16K01820
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
中川 勉 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (50722063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ChREBP / GLUT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの検討において、ChREBP KOマウスの小腸におけるGLUT2の発現レベルは野生型に比べて減少していたことから、小腸においてChREBPがGLUT2の発現を制御していることが示唆された。そこで、ChREBPがプロモーターとして直接GLUT2の発現を制御しているか確かめるために、ヒト結腸癌由来細胞で極性を有することが報告されているHT29-MTX-E12細胞にレトロウイルスを用いてFLAGタグを付加したChREBPを過剰発現した安定発現細胞の作成を行った。ChREBPタンパク質の発現量をウェスタンブロット解析で確認し、発現量の異なる2種類の安定発現細胞を樹立した。得られた2種類の細胞に関して、GLUT2 mRNA量の変化について検討した結果、ChREBPの発現量が増加するほどGLUT2の発現が減少することが明らかとなった。この結果はChREBP KOマウスにおいてGLUT2の発現レベルが減少した結果と矛盾している。昨年度までの検討においてChREBP KOマウスにおけるGLUT2の発現レベルが臓器間で違いがあること、GLUT2の転写開始点の上流および下流域(-2000/+500)に対してChREBPのプロモーター活性が見られなかった結果と合わせて、ChREBPはGLUT2の発現を直接制御するプロモータータンパク質ではないことが示唆された。一方で、グルコース代謝が盛んな臓器である肝臓や骨格筋において、ChREBP KOマウスではGLUT2の発現がほぼ消失していたことから、ChREBPは解糖系の促進を介してGLUT2の発現を制御していることが示唆された。以上の結果から、GLUT2の発現制御はこれまで考えられていたグルコース濃度に依存するのではなく、ChREBPの活性増加により細胞内濃度が増加したグルコース代謝物により制御されることが示唆された。
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Research Products
(4 results)