2017 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質のニトロ化修飾を指標とした2型糖尿病予防薬・治療薬の開発
Project/Area Number |
16K01835
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
飯泉 恭一 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助手 (30439351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山倉 文幸 順天堂大学, 医療看護学部, 特任教授 (20053358)
久保原 禅 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 一酸化窒素 / ニトロ化 / 6-ニトロトリプトファン / 3-ニトロチロシン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで培養脂肪細胞として3T3-L1を用いて、高血糖および肥満の亢進の指標となり得る物質の探索を実施してきたが、指標となり得る物質の発見には至らなかった。そこで、本年度は3T3-L1細胞よりも脂肪細胞への分化効率の高い培養脂肪細胞(3T3-F442A)を用いることにした。3T3-F442A はEuropean Collection of Cell Cultures (ECACC)より購入し、10%ウシ胎児血清を含むD-MEM培地で培養した。コンフルエントになった3T3-F442A細胞にインスリン(10 マイクロg/mL)を投与し、14日間培養を続けたところ、これまで用いた3T3-L1よりも多くの細胞が脂肪細胞に分化していた。この3T3-F442A細胞に由来する脂肪細胞を用い、分化の前後でニトロ化修飾の亢進するタンパク質が存在するかを確認した。抗6-ニトロトリプトファン抗体および抗3-ニトロチロシン抗体を用いたウエスタンブロット法を実施したところ、6-ニトロトリプトファンおよび3-ニトロチロシンのシグナルが検出された。このことは脂肪細胞への分化によりニトロ化が亢進するタンパク質が存在することを示している。現時点ではタンパク質の同定には至っていないが、今後これらのタンパク質を同定するため、2次元電気泳動および対応するスポットのLC-MS/MS分析を実施する予定である。そして、これらのニトロ化タンパク質が肥満の指標として利用可能であるかを詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂肪細胞のモデルである3T3-L1細胞の分化効率が悪く、分化の前後においてニトロ化修飾の明瞭な差が見られなかった。そこで、より分化効率の高い3T3-F442A細胞を用いて研究を進めることにした。これにより、以前よりもニトロ化修飾が強く検出されるようになった。今後、ニトロ化修飾を受けているタンパク質の同定を試みる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪細胞のモデルとして、3T3-L1細胞の代わりに、3T3-F442A細胞を用いることで、ニトロ化修飾の明瞭な差が観察された。今後はそれらのタンパク質が2型糖尿病の予防薬・治療薬の効果を判定するマーカーとして利用できるかを検証したい。
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Causes of Carryover |
予定よりも研究が遅れ、当初予定していた粘菌由来薬剤によるニトロ化抑制効果の検証が実施できなかった。そのため、これらの実験は次年度に実施することにした。
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