2018 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質のニトロ化修飾を指標とした2型糖尿病予防薬・治療薬の開発
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16K01835
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
飯泉 恭一 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助手 (30439351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山倉 文幸 順天堂大学, 医療看護学部, 特任教授 (20053358)
久保原 禅 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 一酸化窒素 / ニトロ化 / 6-ニトロトリプトファン / 3-ニトロチロシン |
Outline of Annual Research Achievements |
培養細胞を用いて、脂肪細胞の分化を抑制する物質を探索した。利用したのは3T3-F442A細胞(ECACC, European Collection of Authenticated Cell Culturesより購入)で、インスリン(10マイクロg/ml)による分化誘導と同時に各種化学物質を加え、分化の抑制効果(脂肪滴蓄積の抑制効果)を観察した。その結果、効果的に脂肪滴の蓄積を抑制できる物質を確認した。効果があったのは一酸化窒素の合成に関わる物質であり、脂肪細胞の成熟に一酸化窒素が重要な役割を持つ可能性が考えられた。現在、機能的に類似した複数の化学物質を用いて同様の効果が得られるかを確認している。 また、脂肪滴蓄積の抑制効果が、タンパク質のニトロ化(一酸化窒素と活性酸素の存在下で生じる翻訳後修飾)と関連するかについても検討している。抑制効果のある化学物質を添加した細胞とコントロール細胞からタンパク質を回収し、抗6-ニトロトリプトファン抗体および3-ニトロチロシン抗体を用いたウエスタンブロット法を実施し、ニトロ化タンパク質の増減を確認している。増減に差があるタンパク質に関してはLC-MS/MS分析によりタンパク質を同定し、脂肪滴蓄積の抑制効果との関連を検討する予定である。 来年度は、脂肪細胞の分化抑制(脂肪滴蓄積の抑制)に一酸化窒素がどのように関与するかを解明し、2型糖尿病予防薬・治療薬の開発を推進したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究で用いる培養脂肪細胞を変更したため、予想よりも研究の進捗に遅れが生じている。しかしながら、新たに用いた培養細胞(3T3-F442A)により興味深い知見が得られており、研究期間を1年延長することで、当初の目標を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、脂肪細胞の分化に一酸化窒素が関与する可能性が考えられた。今後は、その機序の解明を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
研究に用いる培養脂肪細胞を変更したため(3T3-L1から3T3-F442Aへ変更)、当初の予想よりも研究が遅れ、次年度使用額が生じることになった。 次年度に関しては、脂肪滴蓄積の抑制効果がタンパク質のニトロ化(一酸化窒素と活性酸素の存在下で生じる翻訳後修飾)と関連するかについて、引き続き検討する予定である。具体的には、脂肪滴蓄積抑制効果のある化学物質を添加した細胞とコントロール細胞からタンパク質を回収し、抗6-ニトロトリプトファン抗体および3-ニトロチロシン抗体を用いたウエスタンブロット法を実施し、ニトロ化タンパク質の増減を確認する予定である。
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Research Products
(3 results)