2017 Fiscal Year Research-status Report
食欲・肥満制御への応用を目指した活性型グレリン分泌機構の解明
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16K01848
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
仮屋薗 博子 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20437958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大磯 茂 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (40513106)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | AGS-GHRL8細胞 / オクタノイルグレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、遺伝子改変によって作製したグレリン安定発現細胞AGS-GHRL8を用いた検討を行い、AGS-GHRL8細胞にセロトニン(5-HT)受容体5-HT2Bおよび5-HT2Cならびに長鎖脂肪酸受容体GPR120が発現していることを確認した。 AGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン産生・分泌機序におけるセロトニン受容体の関与を調べた。5-HT2B受容体アゴニストBW723C86は、培地中オクタノイルグレリン濃度を有意に低下させた。5-HT2B受容体アゴニストBW723C86の存在下、5-HT2B受容体アンタゴニストSB215505の培地への添加は、BW723C86によるオクタノイルグレリン濃度の低下を有意に減弱させた。5-HT2C受容体アゴニストCP809101は、培地中オクタノイルグレリン濃度を有意に上昇させた。AGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン産生・分泌に、5-HT2B受容体刺激は抑制的に、5-HT2C受容体刺激は促進的に作用していることが示唆された。 AGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン産生・分泌機序における長鎖脂肪酸受容体GPR120の関与を調べた。長鎖脂肪酸のドコサヘキサエン酸は、培地中オクタノイルグレリン濃度を低下させた。GPR120アンタゴニストAH-7614の存在下、非存在下にかかわらず、ドコサヘキサエン酸によるオクタノイルグレリン濃度低下作用は変化しなかった。ドコサヘキサエン酸によるAGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン産生・分泌抑制はGPR120刺激を介したものではないと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン分泌におけるセロトニン受容体およびGPR120の関与を明らかにしたが、これらで説明できない機序の解明に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、トリテルペン類や緑茶カテキンがAGS-GHRL8細胞のオクタノイルグレリン産生・分泌抑制作用を示すことを見出している。これらによる抑制の機序を調べる。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れたために生じた当年度分の残余は、グレリンのELISAキットをはじめとする試薬の購入等、物品費に充当する。翌年度分の助成金は、物品費および成果発表の旅費に充当する。
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