2017 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿の指標となる糖鎖構造とその生物学的意義の解明
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16K01852
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
三浦 ゆり 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (00216574)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 健康長寿 / 糖鎖 / グライコプロテオミクス / 超百寿 / バイオマーカー / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは健康長寿マーカーの策定につなげるため、これまでに超百寿者(105歳以上)の血漿タンパク質のN-結合型糖鎖を解析し、超百寿者に特徴的な糖鎖構造を明らかにした。そこで本研究ではさらに深化させ、1.これらの糖鎖が結合しているキャリアタンパク質、2.同一人の加齢による糖鎖変化(縦断的変化)、3.シアル酸の結合様式、について検討する。本研究により、健康長寿に特徴的な糖鎖構造の詳細のみならず、キャリアタンパク質の機能変化を含めた生物学的意義や、加齢により亢進する慢性炎症への応答能との関連について新たな知見が得られる。本研究は、老化プロセスの理解を格段に深めるばかりでなく、健康長寿マーカーとして疾病の予防・診断・治療に役立てることを目指す。 本年度は、昨年度報告したシアル酸誘導体化法 (Sialic acid linkage specific alkylamidation (SALSA))を超百寿者血しょうの糖鎖解析に応用し、超百寿者と老齢コントロール(70歳代)の血しょう糖鎖解析を行った。その結果、超百寿者血しょうは老齢コントロールに比べて、高分岐でシアル酸を多く含む糖鎖が多いことが検証された。また、超百寿者で増加した糖鎖には、フコースを含む糖鎖が多いことが明らかになった。さらに、ヒトの血しょう糖鎖においては、alpha 2,3-結合シアル酸に比べてalpha 2,6-結合シアル酸をもつ糖鎖が多く、老齢コントロールと超百寿者においてシアル酸結合様式が変化する糖鎖があることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定であったシアル酸誘導体化法 (Sialic acid linkage specific alkylamidation (SALSA))の超百寿者血しょう糖鎖解析への応用について成果が得られたため、概ね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は次の項目について行う。 1.加齢による糖鎖構造変化の縦断研究 2.超百寿者特徴的糖鎖の生物学的意義の解明
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