2018 Fiscal Year Annual Research Report
Glycosylation of plasma proteins as a biomarker of successful aging
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16K01852
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
三浦 ゆり 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (00216574)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 健康長寿 / 糖鎖 / グライコプロテオミクス / 超百寿 / バイオマーカー / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは健康長寿マーカーの策定につなげるため、これまでに超百寿者(105歳以上)の血漿タンパク質のN-結合型糖鎖を解析し、超百寿者に特徴的な糖鎖構造を明らかにした。そこで本研究ではさらに深化させ、これらの糖鎖が結合しているキャリアタンパク質、シアル酸の結合様式、これらの糖鎖の健康長寿における生物学的意義について検討する。 最終年度である本年度は、超百寿者に特徴的な糖鎖(高分岐高シアル酸含有糖鎖)の生物学的な役割を明らかにするため、高分岐高シアル酸含有糖鎖を多く持つモデル動物の作成に取り組んだ。まず、マウスにシアル酸を飲水投与して血漿タンパク質のN-結合型糖鎖の糖鎖解析を行い、高分岐高シアル酸含有糖鎖が増加するかどうかを調べた。糖鎖脱離酵素であるN-グリカナーゼF (PNGase F) を用いて血漿タンパク質より糖鎖を切り離し、Sialic Acid Likage Specific Alkylamidation (SALSA)法を用いてシアル酸の結合様式を区別するための前処理を行った後、MALDI-TOF MSを用いて測定した。その結果、糖鎖と推定できる58のピークを検出した。さらにそれぞれのピークについて全体に対する相対ピーク面積比を求め、シアル酸投与による影響について調べたところ、最もメジャーなピークである2つのalpha2,6-グリコリルノイラミン酸を含む2本鎖糖鎖が有意に増加した。また、シアル酸を含まない高マンノース型糖鎖などの減少が認められた。しかしながら、3分岐3シアル酸含有糖鎖については、シアル酸投与による有意な増加は認められなかった。 そこで現在、高分岐糖鎖を合成する酵素であるN-アセチルグルコサミン転移酵素-V (GnT-V)のトランスジェニックマウスを用いて、超百寿者に特徴的な糖鎖(高分岐高シアル酸含有糖鎖)を多く持つモデル動物の作成に取り組んでいる。
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