2018 Fiscal Year Annual Research Report
Children's activity space changing with school districts reformation in Japan
Project/Area Number |
16K01860
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大西 宏治 富山大学, 人文学部, 教授 (10324443)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子ども / 登校 / 下校 / 安全 / GPS |
Outline of Annual Research Achievements |
少子社会における学校区における子どもの生活空間を検討するために、今年度はGPSを利用し、その登下校の空間的な特色を把握した。少子社会が進行するとともに、児童の異年齢集団における社会的なネットワークは登下校により構築されていると仮定し、その活動を空間的に把握するために、協力された富山市内の2つの小学校区の児童に対してGPS端末による空間行動を把握する調査を実施した。 登校と下校の間で空間的な行動に大きな差が見られた。下校時は保護者の迎えにより、多様な下校の空間が広がり、数多くの児童が学校を出た後に校区外での何らかの習い事の活動をしていることがわかった。つまり、校区の空間を考える際、すでに児童の活動空間として校区をとらえることの意味が、通学する集団のまとまりを創り出しているに過ぎず、実質的な活動空間としての意味を持っていないことがわかった。 また登下校の様子を天候別、学年別に検討すると、低学年ほど登下校の空間に広がりを持っており、高学年は校区内の自宅などにまっすぐ戻っていることがわかった。これは保護者の随伴行動が大きな影響を与えていると考えられる。天候については荒天、晴天の間で登下校に違いはみられなかった。 さらに放課後の学童保育などへの移動をみると、多くは徒歩で移動しているものの、学校区内のキャパシティが不足し、バスなどを利用して児童が校区外の学童保育を利用していることもわかった。この場合、自立的に学校区の範囲を越えた活動をすることになる。このように校区の境界線の意味が時代とともに変化することがわかった。 学校区という空間をどのようなものとしてとらえるのかにつては、今後も検討が必要な事項であることがわかった。
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Research Products
(7 results)