2016 Fiscal Year Research-status Report
子どもの非認知能力を育てるスポーツ経験の量的・質的検討
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16K01864
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
奥田 援史 滋賀大学, 教育学部, 教授 (10233454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非認知能力 / スポーツ経験 / 危機経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもの非認知能力に影響を及ぼすスポーツ経験の量的・質的な検討をすることである。 平成28年度は、まず、子どもの非認知能力の発達に関する先行研究を概観し、非認知能力とスポーツ経験内容の研究パラダイムを設定した。次に、量的アプローチとして、運動部所属高校生約350人を対象として、質問紙調査を実施した。これらの対象者は、全国大会で優秀な成績を有する者を数多く含み、県レベル上位者を中心に構成されている。質問紙では、スポーツ経験内容として危機経験、非認知能力としてビッグファイブ性格特性を取り上げた。危機経験は、「競技成績」「怪我」「競技継続」「チームメイトとの関係」「指導者との関係」「チーム運営」「勉強」「将来の職業や進路」「異性の友人との関係」「部外の同性の友人との関係」「父親との関係」「母親と の関係」「生き方や価値」の13事象(運動領域6事象、日常生活領域7事象)に対し、危機:「中学・高校に入ってからこれまでの間 に、個々の事象について迷ったり悩んだりしましたか」、探求:「迷ったり悩んだときに、それを解決しようと努力しま したか」、自己 投入:「現在、そのことについて自分なりの信念をもって積極的に努力していますか」の程度について回答した(竹之内ら、2012を参照した)。次に、ビッグファイブ性格特性は「外向性」「情緒安定性」「開放性」「勤勉性」「協調性」の5側面とした(並川、他、2012を利用した)。この調査の他、ホッケー競技の日本代表選手・ユース代表選手約50人を対象として、上記と同様の調査内容を実施した。いずれも、分析中であり、平成29年度に研究発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
競技レベルの高い、高校生350名及びホッケー競技者50名を対象として、本調査を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、子どもの非認知能力に影響を及ぼすスポーツ経験の量的・質的な検討をすることが目的である。平成28年度は量的アプローチから検討したので、平成29年度以降は、質的アプローチから検討する。この質的アプローチでは、双生児等を対象とし、非認知能力とスポーツ経験内容を関連づける作業をする。すでに、双生児等への調査依頼を行っている段階である。
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Causes of Carryover |
調査は実施できたが、その時期が遅くなり、研究結果の一部しか発表できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現時点で、2つの研究結果の発表をエントリーし、引き続き、調査と研究発表を実施していく。
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Research Products
(1 results)