2018 Fiscal Year Research-status Report
食生活と環境化学物質が子ども達の脳神経に与える影響の網羅的な解析
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16K01872
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
酒井 久美子 大分大学, 医学部, 助教 (60225753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 礼子 大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
千葉 政一 大分大学, 医学部, 准教授 (20457633)
酒井 謙二 九州大学, 農学研究院, 教授 (50205704)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 亜鉛 / メタボローム / トランスクリプトーム / 脳 / 海馬 / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は亜鉛を多めに投与した群とそうでない群のマウス脳海馬切片を作成し、レーザーアブレーション(LA)-ICP-MSを用いて、組織中の亜鉛のイメージング測定を行った。海馬での相対定量値は、亜鉛多めの群で層でない群の約1.2-1.3倍であった。亜鉛投与量では亜鉛多めの群でそうでない群の数倍を与えており、脳内の亜鉛量の恒常性は維持されているが、多めの群でやはり若干量の増加が見られた。これらから海馬において亜鉛量が生理的濃度であることが実証された。 さらに今までに得たメタボロミクス、トランスクリプトミクスのデータで、GO(gene ontology)解析、パスウェイ解析を各種の方法を用いてさらに検証した。メタボロミクスのデータからMetaboAnalystのPathway解析とEnrichment Analysis(MSEA)で解析を行った結果、亜鉛多めの群では、カテコールアミン生合成経路の亢進が見られた。トランスクリプトームの結果をMetascapeを用いてGO解析を行ったところ、脳・神経・ニューロンのGOが多く抽出され、特に行動、transmembrane、GPCRやグルタミン酸受容体などが有意だった。 以上から、マウス行動解析から得られた脳機能向上という結果をオミクス解析で説明することが可能となった。詳細はさらに検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、メタボローム、トランスクリプトームのオミクスデータが集積されている。これらと亜鉛と脳機能の関連を統合して解析するには新たなソフトウェアを必要とするが、現在試用段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は平成30年度終了であるが、オミクスデータによる機能解析がソフトウェア試用を経て、正式に購入した。これを用いて、現在までに集積したオミクスデータおよび亜鉛データを統合し、解析を試みる。
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Research Products
(5 results)