2018 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児視点の家庭内事故防止―装着型視線計測装置によるアプローチ
Project/Area Number |
16K01892
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
渡部 基信 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30649306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 考爾 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (40463202)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 乳幼児 / 視線計測 / 家庭内の安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.家庭内調査のための方法を確立した。昨年度計画した竿状の橋渡しにカメラを設置する方法は、安全性に対する懸念があるため中止した。代替え案として、各家庭の状況に合わせて、タンスの上など部屋の天井に近い高い位置にアクションカメラを取り付け、4台のカメラを使うことによって、家庭内での調査が可能となった。 2.実際の家庭での乳幼児の行動調査を行った。一番家庭内の事故が多い夕方の時間帯に調査をした。上記1のように、家庭内に4台のカメラを設置した。さらに、家庭内での乳児の視線計測をするため、乳児の視線カメラもさらに小型化し、脱着が簡単な帽子型タイプのウエアラブルカメラを装着した。一つ家庭での調査は3日間行い、映像として記録した。 3.昨年度から引き続き、研究センター内の実験室での調査も行った。開発した乳児用の視線計測装置を使って、リビングルームでの乳児の視線計測を実施した。さらに、実験室の天井にもカメラを装着して、乳幼児の行動をチェックした。実験中の母親の視線計測も同時に行い、母子の視線計測を比較した。母親には既存の視線計測装置Tobii Pro Glasses 2を使った。 4.実験室での調査では、実験室内に玩具置いて自由にそれで遊べる設定と玩具を置かない設定の2つのグループを作って比較・調査をした。調査結果から、玩具を与えられた場合乳幼児はそれに集中してあまり移動をしないが、玩具のない場合は部屋内での探索移動行動が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.当初の予定通り家庭内での調査を行った。家庭内での計測のため、簡略化した装置で設置も容易である必要がある。さらに、安全性についても考え、4台のアクションカメラを使って実現した。 2.昨年度から引き続き、開発した乳児用の視線計測装置を使って、リビングルームでの乳児の視線計測を実施した。さらに母親の視線計測も同時に行い、すでにそれらのデータが集まりつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.前年度の調査を継続する。児の家庭内ての1日の行動範囲を調べるために4台のアクションカメラをしようする。 視線計測も同時に行い、乳幼児の注目する物も調べる。1日のうちで一番事故の多い夕方に調査し、3日間調査し、児の日常の行動を把握する。 2.初年度からの視線計測を引き続き行う。母親と乳児の視線の違いをさらに調べる。母親が普段気づかないところに、乳児の視線が集中しているかどうかについて、調査・解析を進める。 3.カメラ映像から、乳幼児の行動を解析する。その行動解析をもとに、家庭内安全に関する環境因子を探索する。
|
Causes of Carryover |
(理由)家庭内での調査のために、専用のスタンドやカメラを購入する予定であったが、既存の4台のアクションカメラを使うことによって、予定していた費用より低価格に出来たため。また、30年度は実験や調査を中心に行ったため、解析のための人件費を使わなかったため。 (使用計画)昨年に引き続き、家庭訪問も行い乳児の視線計測を行う。そのため、乳幼児に慣れた調査員が必要である。家庭内調査は3日間行うため、参加者への謝礼も高額になる。また実験結果として膨大な映像データが得られるため、そのデータの管理・分析のための人員も必要である。研究補助員のための人件費として繰り越しした研究費を充てる。
|
Research Products
(2 results)