2019 Fiscal Year Research-status Report
発達が気になる子どもの成長を支える野外教育プログラム開発と支援システムの構築
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16K01897
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
竹内 靖子 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (30554208)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 参与観察 / ICT / アシスティブテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達の気になる子どもたちの生活スキル向上を目指した野外教育(キャンプ活動)プログラムの開発と支援システムの構築である。さらに、キャンプ参加者の家族支援プログラムとスタッフ養成プログラムの開発を同時に行うことで、活動を継続できる環境づくりについても検討している。 実践研究は、NPO法人が主催する発達の気になる子ども(主に5~10歳)対象キャンプ(1泊2日、年3回実施)と、家族対象プログラムと、スタッフ対象の研修であり、2016年度から2019年度までの4年間の参与観察とWebアンケートデータを収集した。さらに、テクノロジーを活用した情報共有を促進するために、保護者・スタッフ対象の「ハワイにおける障がい児サポート研修会」を行い、保護者とキャンプ中の子ども情報(写真・作品・絵日記・アンケートデータ個別保管フォルダ)を共有した。参与観察とアンケートデータからは、それぞれの子どもにとってポジティブな表情・考え・行動の変化が確認できた。 また、大阪市とその近郊で、発達障がい児・者対象キャンプを実施する30団体の実態調査結果を基に、3団体の実践研究者と以下3つの視点について検討した。「①キャンプの魅力」は、いつも(学校や家庭)と違う仲間と自然(非日常)体験を行う居場所となることと、そのような体験を通した子どもたちのポジティブな表情・考え・行動の変化であり、結果として子どもたちの自信につながることである。「②課題」は、主に参加者個々のニーズに対応するためのスタッフの数と質の確保であった。「③これからの環境づくり」としては、個々のニーズに対応したキャンプ活動の機会の保障と、活動を支えるボランティア研修や、組織づくりの支援や、情報共有の工夫を続けることが、お互いを理解する共生社会づくりに通じることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の計画通り発達の気になる子どもとその家族対象のキャンプを実施し、キャンプによる子どもたちの変化等の情報収集を継続できた。さらに、実践事例を多様な専門家と検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため、発達が気になる子どもの成長を支える野外教育プログラムと支援システムを構築するために、これまでの研究結果を総括し、普及へとつなげたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度の調査を令和元年度に行ったため、令和2年度に総括を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Leisure Education in Japan2019
Author(s)
Hiroaki Chino,Yasuko Takeuchi,Takashi Wakano,Kazuyuki Koike,Shinichi Nagata
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Journal Title
Therapeutic Recreation Journal
Volume: 53(3)
Pages: 274-279
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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