2017 Fiscal Year Research-status Report
今日の親の親性形成と親子関係の質の向上を促す支援プログラムの開発
Project/Area Number |
16K01899
|
Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
寺見 陽子 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (20163925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久津木 文 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (90581231)
伊藤 篤 神戸大学, 人間科学部, 教授 (20223133)
南 憲治 京都橘大学, 発達教育学部, 教授 (00122284)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 母親 / 父親 / 親性形成 / 親子関係 / 質の向上 / プログラム開発 / ジョイントアテンション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今日の日本の親の親性及び親子コミュニケーションスタイルの特性を明らかにし、親性の形成と親子関係の質を高める支援プログラムを開発することを目的にした。ここでは養育者の乳児への働きかけと乳児の反応に注目し、次のような課題設定をした。 ◆1. 乳児期における親子間のコミュニケーションスタイルに変容が見られるか?―20年前の母子と今日の母子との日米比較検討を通して:二項関係から三項関係への移行期における母親と乳児のinteraction とengagementの取り方について、20年前の母子と今日の母子との比較検討を行う。◆2.父子間と母子間のコミュニケーションスタイルの特性にどのような差異があるか?:筆者のこれまでの研究では、ここ10年間に父親の養育行動が大きく変化していたことから、父親のinteraction と engagement の取り方と役割意識を父子の遊び行動を分析し、母子のそれと比較することによって、今日の父親性・母親性について論議する。◆3.今日の母親・父親は養育における性役割と親同士関係をどのように認識しているか?―今日の親の親性と養育意識に関する質的検討:今日、母親性・父親性の概念が曖昧になってきている。親役割の再検討が必要と思われる。ここでは1.と2.の研究に参加した、今日の母親父親へのインタビューを実施し、今日の親の親性と養育意識について質的に検討するとともに、母親性・父親性、子育てを支えあえる夫婦関係の在り方について検討する。◆4.親の養育性は養育者間の関係性によって発達させることはできるか?-親の養育性と親子のコミュニケーションの質を高め、夫婦でともに育ちあうピアレンティング・プログラムの開発:1~3の研究結果をもとに、戸惑いやストレスが高いとされる乳児期から幼児前期の子どもを持つ親を支援するための、ピアレンティング・プログラムの開発する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度に当たり平成28年には、アメリカにおける母子と父子の遊びのデータ収集を行った。しかしながら、アメリカにおける倫理審査の問題があって、研究協力教授とのコンタクトをとり、倫理審査の続きを行うことで終了した。 平成29年度には、アメリカにおいて、10組の乳児と父親・母親の遊び場面のデータとインタビューの収集を終えた。しかしながら、研究対象としている9か月児にしぼっとデータ収集が難しく、6か月児、9か月児、10か月児、12か月児と分散しているため、もう少し、9か月児のデータを収集する必要がある。日本においては母子、父子各3組のデータ収集を終えた。これらのデータをもとに、行動解析のためのコーディングと分析プログラムを作成し、実際の解析の準備を終えた。 初年度におけるデータ収集が遅れたため、今年度の予定である行動分析とインタビューの分析がまだ終了しておらず、プログラムの開発に着手するにはもう少し時間を要する。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度には、行動分析とインタビューの分析を行い、親子関係の質を高める支援プログラムの開発とその検証を行いたい。
|
Causes of Carryover |
アメリカにおける調査が遅れているため。次年度、再度調査に出かける予定。
|