2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児健診を利用した母親の食生活と低出生体重児の出現の要因の検討
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16K01901
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
境田 靖子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (00341024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由田 克士 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60299245)
岩橋 明子 帝塚山大学, 現代生活学部, 講師 (60710845)
辻本 洋子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (70708411)
福村 智恵 (荻布智恵) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (80336792)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳幼児健診 / 低出生体重児 / 食生活 / DoHaD説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、母子保健法に基づいて行われる乳幼児健診を活用し、安全な出産と健全な子どもの発育のために、妊娠期の母親の体重および生活習慣と生まれる子の体重、および出生後の育児内容と子の生育状況の関連について把握し、将来の生活習慣病発症の予防のための、早期介入システムの構築を目指すものである。 平成28年は、後ろ向き調査として、調査協力を得た3つの自治体において、乳児健診を受診する親子に対し調査を実施し、調査協力の同意を得られたものについて用紙を回収した。3地区の調査用紙回収率%(回収数/配布枚数)は順に72.9%(643/882)、96.1%(535/557)、73.4%(837/1141)であった。 現在、地域ごとの集計、分析を行っているが、ある自治体においては、非妊娠時の体格区分別に母親の属性をみると、出生児の在胎週数に有意な差は見られなかったものの、低体重群(妊娠前BMI18.5未満)で母親の年齢は低く、児の出生体重は肥満群(妊娠前BMI25以上)に比べ低かった。また、適正体重増加量に関する正しい知識についても体格によって有意な差が見られた。さらに、別の自治体において、低出生体重児群と出生体重2500g以上群との比較で、低出生体重児群は母親の出産年齢が高く、妊娠時の体重増加量が低かった。また、野菜摂取頻度および乳類の摂取頻度について、低出生体重児群で低い傾向が見られ、母親の妊娠期間中の食生活および体重増加が、児の出生状況に影響を及ぼすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・3地区の乳児健診での用紙回収率は平均80.8%で良好な状態で終了し、現在、データ整理の後、解析を始めている。 ・低出生体重児の出現について、母親の飲酒・喫煙の影響に関するデータは多いが、母親の食生活に関するデータは少ない。母親の食生活が妊娠期間中の体重増加量等へ影響し、そのアウトカムとして児の出生状況に変化をもたらすといった仮説を支持する結果がいくつか見出されている。 ・前向きコホートとして1歳6か月健診での調査を始めており、現在、順調にデータ回収を進め、順次、データ入力を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
・コホート調査として、1歳6か月健診において、健診の案内状発送時にアンケート調査用紙を同封し、児の成長と母親の食生活習慣状況等との関連についての把握を行い、乳児健診とのデータ連結を行うと同時に、単年度データについても分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用する調査用紙の質問項目が多く、用紙回収時の書洩らしチェックのための人員を多めに雇用したことから、計画時より雇用経費および旅費が必要となったため、購入予定であった統計処理ソフトの購入を後倒しにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
統計処理ソフトの購入と主に調査のための旅費と雇用経費に充当し、適正に使用する。
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