2016 Fiscal Year Research-status Report
多文化コミュニティにおける外国人の子どもの発達を保障する保育システムの構築
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16K01902
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Research Institution | Teikyo Junior College |
Principal Investigator |
林 恵 帝京短期大学, 帝京短期大学, 准教授 (60759380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 拡子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (80309442)
佐々木 由美子 足利短期大学, こども学科, 准教授 (80742874)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多文化保育 / 多文化コミュニティ / 保育システム / 発達保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.多文化共生保育に関する国内外の文献レビューをおこない、現在の動向について把握した。特に海外の多文化先進国の就学前保育における移民等の子どもへの支援制度やその実態について精査し、ドイツへの現地調査につなげた。ドイツではNRW州を訪れ、トルコ人の移民・シリア人の難民を含めた保育の在り方について調査をおこなうことができた。ここで行った研究については保育学研究55巻「ドイツNRW州における就学前教育改革と多文化共生保育実践」として掲載予定である。また、保育学会70回大会で「ドイツNRW州における多文化保育の実践(1)少年局への聞き取り調査から」「ドイツNRW州における多文化保育の実践(2)外国人が在園する保育施設の現地調査から」として発表予定である。また立正社会福祉研究に「多文化保育における外国人保育者の役割-ドイツNRW州における保育施設の事例から-」として掲載された。 2.国や年齢に関係なく集うことができる遊び広場「わくわく広場」を定期的に実施、様々な国籍の家族の参加が認められた。この様子は地域福祉サイエンスに「遊び広場の活動が多文化コミュニティーにもたらしたもの-運営者の意識変容に着目して-」、高崎健康福祉大学紀要に「遊び広場への参加による学生の多文化社会や多文化保育への理解の変容」として掲載された。 3.「大泉町多文化保育研究会」を11月に開催し、保育現場の課題を明確化し共通認識を持つことができた。この内容は足利短期大学紀要に「大泉町多文化保育研会第3回シンポジウム報告」として掲載された。 4.大阪を訪問し、オールドカマーの多く在籍する保育園・幼稚園、学習支援の現場を見学、調査を実施した。 5.外国人保護者への面接調査をおこない、外国人家庭の子育てニーズについて把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は国内外での調査を実施、国内は在日コリアン集住地域での保育の実際を調査、群馬県大泉町では、子育てに関する保護者へのインタビュー及び質問紙調査を実施し、外国人家庭の子育てのニーズを知ろうと努めた。国外ではドイツの難民に対する、保育の場での言語を中心とした支援の実際について調査を実施した。また、ドイツの多文化保育の背景について知るため、関係文献のレビューをおこなった。 大泉多文化保育研究会を11月に実施し、現場の保育者との意見交換をおこなった。また、その研究会についてはSNSをとおして広く研究者に告知、報告された。 以上のように本科研は研究題目に沿った内容が着々と進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度は第1年度に実施したことを基にし、具体的実践へとつなげる。昨年調査した外国人家庭の子育てニーズをさらに明確にするため大泉町内全域での調査を実施する。その調査を基に、外国人家庭の子育て支援の実践につなげる予定である。特に小学校入学前のプレスクールのような役割を担う場の提供へつながる活動を試みる。 また、養成校で学ぶ外国人学生へのインタビュー調査などを実施し、外国人保育者の役割とその育成方法などを検討する。さらに、保育者養成校の学生を対象にアンケートを実施し、多文化理解促進のためのカリキュラムの検討をおこなう予定である。 これらはSNS等を通じて発信の範囲をひろげていく。
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Causes of Carryover |
外国人児童の保護者へインタビューについて、対象者との予定が合わず、半数ほどが終了していない状況である。そのための旅費や通訳代、謝礼などが次年度使用額が生じた理由となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度の早い時期に実施の予定である。
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Research Products
(8 results)