2018 Fiscal Year Research-status Report
子どもの犯罪被害の前兆的事案調査法の開発と妥当性評価
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16K01906
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
原田 豊 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 特任研究官 (10356206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 知範 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (10392268)
冨尾 淳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10569510)
雨宮 護 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60601383)
今井 修 東京大学, 空間情報科学研究センター, 客員研究員 (80401305)
山根 由子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 研究員 (80721175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子どもの被害 / 前兆的事案 / 危険なできごとカルテ / QRコード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度と同様のQRコード対応「危険なできごとカルテ」および回答用地図を用いて、文部科学省の「学校安全総合支援事業」(前年度までの「防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業」を改編)の平成30年度モデル校となった小学校1校において、全学年の在籍児童(14学級:292人)を対象として、平成30年9月に調査を実施した。その結果、7種類の前兆的事案を小学校入学から調査時点までに経験したことのある児童は21人(対象者総数の7.2%)であり、経験された事案数は25件(対象者総数の8.6%)であることが判明した。 また、これらの事案に遭遇した際の児童自身の対応については、「なにもしなかった・できなかった」が42%、「大声で助けを呼んだ」が4%、「防犯ブザーやベルを鳴らした」がゼロであるなど、従来の調査と同様、児童自身による対処には限界があることが明らかになった。また、これらの事案の経験を「今回初めて知った」「誰にも連絡・相談しなかった」と回答した保護者の割合は23%であることも判明した。 平成30年度の調査にあたっては、対象校の通学区が特殊な形状であったことを勘案して、回答用地図を2枚に分割し、そのどちらかに事案の発生地点を示す赤丸シールを貼ってもらう方法をとった。これにより得られた回答をスキャンして読み取った結果、地図の余白に配置したQRコード内の緯度経度情報により、回答用地図1に貼付されたシール23枚、および回答用地図2に貼付されたシール2枚の貼付位置が、いずれも正しく世界測地系で出力されたことが確認できた。さらに、今回の調査で得られた経験に基づいて、WebGISサイトの帳票印刷機能を改良し、ユーザが作成したカルテ・地図のID番号のファイルおよび学区の形状などを示すシェープファイルを、サイトにアップロードして使用できるようにする機能を追加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に改良を加えた前兆的事案調査票、および平成30年度の調査対象校の校区の形状を勘案して2つに分割した回答用地図を用いて、小学校での調査を予定どおり実施し、これらの調査キット・調査手順が本年度の調査実施校でも計画通りに運用できることを確認した。あわせて、本年度調査で得られた経験に基づき、WebGISサイトの機能強化を行うことができた。 一方で、QRコード対応帳票の読み取りソフトウエアの学校現場での試験運用を踏まえた改良作業については、業務委託先企業の事情により遅れが生じ、年度内に完了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、QRコード対応帳票の読み取りソフトウエアの改良ならびにこれを用いた読み取り精度の検証を進め、学校現場などの多様なプリンタ・スキャナなどに対応可能な帳票印刷・読み取り技術を開発する。あわせて、危険性の高い事案の類型などに関する検討を進め、事案の時空間集積性の検討結果と統合して、前兆的事案の危険性評価の指標の構築・学校教育現場での試験運用などによる妥当性評価を実施する。
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Causes of Carryover |
本年度に実施予定であったQRコード対応帳票の読み取りソフトウェアの改良作業に、業務委託先企業の事情で遅れが生じたため、事業実施期間を1年間延長して、次年度の使用額を充当して改良作業を実施する。
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Research Products
(5 results)