2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of the mitochondrial proteins as a potential therapeutic target for the treatment of osteoarthritis
Project/Area Number |
16K01924
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
下畑 宣行 立命館大学, 生命科学部, 講師 (30419709)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 軟骨分化 / 変形性関節症 / ミトコンドリア / 低分子化合物 / MAPキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、関節軟骨組織における軟骨分化を促進する一方で、骨分化へと繋がる肥大分化を抑制する低分子化合物TD-198946 (TD) が見出されている。我々は磁性ビーズ及びプロテオミクス的手法を用いてTDと直接相互作用するタンパク質の同定を実施し、その結果、TD相互作用タンパク質候補として複数のミトコンドリアタンパク質を同定した。TDによってこれらのミトコンドリアタンパク質間の相互作用が亢進することが軟骨分化に重要であることが示唆されている。また、前年度以前の解析により、これらのミトコンドリアタンパク質のリガンドとして報告されているAという低分子化合物が軟骨分化促進効果及び骨分化促進効果を有することも明らかにしている。今年度においては以下の3件に関して解析結果を得た。 1.TDはMAPK (MAPキナーゼ) の活性化を介して、軟骨分化を促進することを見出し、TDによるMAPKの活性化にはTD標的ミトコンドリアタンパク質が関わっていることが分かった。 2.TD標的ミトコンドリアタンパク質には、MAPKの活性化・抑制の二重の機能があり、これらのスイッチングが軟骨分化に重要であることが示唆された。 3.変形性関節症治療のためにTDを搭載する微小人工骨を開発しており、これらの微小人工骨からの骨軟骨促進因子の適切なリリースの改良に成功した。 1~3に関して、TD及びMAPK、TD標的ミトコンドリアタンパク質の関連を明らかにした。MAPKは骨軟骨分化において、重要な働きをしていることが以前から分かっており、TD標的ミトコンドリアタンパク質の内在的な骨軟骨分化の機能を見出した。3に関して、TDを実用化するために、微小人工骨の改良に取り組んでおり、天然二糖類を用いることによって、微小人工骨の性能を改良することができた。
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