2018 Fiscal Year Research-status Report
糸状菌二次代謝プロモーターの応用による有用物質生産系の構築と改良
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16K01930
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小池 英明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ付 (90344118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉野 孝一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80392629)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム情報科学 / 二次代謝 / 糸状菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統的発酵産業で使われる麹菌(Aspergillus oryzae)は、対数増殖後に余剰の糖を二次代謝としてコウジ酸に変換する。その変換効率は極めて高く、他化合物の高生産化への応用が期待される。コウジ酸生産に関わる遺伝子を解明したが、それを基にコウジ酸合成酵素のプロモーターを応用して胞子色素ポリケタイドの合成酵素を高発現し、二次代謝生産期での人為的なヘテロ化合物生産に成功した。 糸状菌である麹菌は生育が定常期に入った後、培地中に残る余剰グルコースをコウジ酸(KA)に変換する。増殖が終わった後のKA 二次代謝生産は、働く遺伝子も少なく、極めて効率的であり、その結果培地中にKA が大量に蓄積する。麹菌が高生産する2つの二次代謝化合物(コウジ酸KA、色素ポリケタイドYWA)生産時に働く遺伝子、代謝パスを明らかにすることを目標とする。最初にコウジ酸生産条件で、発現遺伝子をRNA-seq 解析した。今年度は、麹菌で前述のヘテロ化合物生産株とその構築元の非生産株について、コウジ酸を生産する条件で培養し、3日目・5日目・7日目の3点の培養日数でRNAサンプルを各3本のフラスコから調製し、それでmRNA-Seq解析を行った。したがって実験重複度が3でmRNA-Seqのデータを得た。そのデータを用いて、麹菌でコウジ酸合成酵素遺伝子のプロモーターが稼働時に、これと協調的に稼働する他の遺伝子の探索を進めている。それにより、コウジ酸合成酵素遺伝子のプロモーター以外に、麹菌で二次代謝産物の異種生産および培養後期からの長期間生産に利用可能な新たなプロモーターを今後見つけ出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が、採択年度から本部組織へ異動になり、研究部署と兼務で実施している。このため、期間途中から同じ研究部署に所属する研究員1名に主に実験部分を分担頂き、情報解析をする研究代表者と共同実施する体制を整えた。 分担者の加入で加速し、これまでの成果を国際誌に論文として投稿し、査読を受けている。提案と比べて遅れている分、結果を基に計画を精緻化し、1年以内に取り戻したい。
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Strategy for Future Research Activity |
提案した計画に沿って、分担者と協力して進めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者が、採択年度から本部組織へ異動になり、研究部署と兼務で実施している。このため、期間途中から同じ研究部署に所属する研究員1名に主に実験部分を分担頂き、情報解析をする研究代表者と共同実施する体制を整えた。 分担者の加入で加速し、これまでの成果を国際誌に論文として投稿し、査読を受けているが、今後にも追加実験、出版費用が見込まれ、提案と比べて遅れている分、結果を基に計画を精緻化し、1年以内に取り戻すために延長をお願いし、許可頂いた。
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