2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical approaches towards ER endomannosidase contributing degradation of misfolded glycoprotein
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16K01938
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
戸谷 希一郎 成蹊大学, 理工学部, 教授 (80360593)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖タンパク質品質管理 / 不良糖タンパク質分解 / エンドマンノシダーゼ / 合成糖鎖プローブ / カルボキシルエステラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体糖タンパク質品質管理において、フォールディング促進とフォールディングチェックを担うCNX/CRTサイクルは中心的な役割を担っている。しかしこれまで、フォールディング不良品糖タンパク質が本サイクルから離脱して分解機構へと向かう経路は不明であった。これに対し、我々は以前に多様な糖鎖プローブと小胞体画分を駆使した精密解析によって、小胞体内には本経路の駆動力を担うエンドマンノシダーゼ活性が存在することを発見した。本研究課題では [1] Golgi エンドマンノシダーゼのノックアウト細胞を作成し、小胞体エンドマンノシダーゼ活性が Golgi エンドマンノシダーゼ由来ではないことを明確にした。 [2] 小胞体エンドマンノシダーゼ活性を担う活性本体の同定に取り組み、本酵素活性が 800 kDa のタンパク質複合体によって発現し、その構成要素として脂質の加水分解に機能すると考えられているカルボキシルエステラーゼを含むことを明らかにした 。 [3] 種の異なる複数のマウスやラット肝臓組織において、いずれも小胞体エンドマンノシダーゼ活性が存在することを示した。[4] 鶏卵卵黄より簡便に抽出した糖鎖を基に、小胞体エンドマンノシダーゼの新規合成基質を開発した。[5] 小胞体エンドマンノシダーゼ活性を選択的に阻害する化合物を開発した。以上の成果によって、これまでの常識を覆す小胞体エンドマンノシダーゼが関与する糖タンパク質分解機構が存在することを明確にした。また今後の小胞体エンドマンノシダーゼ研究の発展に資する合成基質や阻害剤など、研究を支える技術基盤を確立した。
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Research Products
(35 results)