2017 Fiscal Year Research-status Report
神経内分泌系とヒトの気質・性格の関連性についてのPET研究
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16K01956
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 佳代 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 上級研究員 (90462697)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PET / estrogen / oxytocin / ヒト |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトでの気質・性格と神経内分泌系との関連性を研究するため、ヒト生体内での分子の挙動を解析できる新規PETプローブの開発・評価・応用を行っている。現在、利他行動や信頼といった社会性に関わるとされているoxytocin系およびそのoxytocin系を制御する可能性が示唆されているestrogen系のPETプローブの開発を行っている。 Oxytocin受容体可視化新規PETプローブの候補化合物Aに、PET核種である18Fで標識し、アカゲザルとマーモセットを用いて、このAの評価を行っている。以前行ったラットを用いたPET実験では、Aの脳内移行性は確認されたが、比較的速やかに脳外に排出されたため、ラット脳内のoxytocin受容体を定量することはできなかった。今回行ったアカゲザルとマーモセットを用いたPET実験では、どちらの種においてもAの高い脳内移行性が確認された。また、Aは脳外に速やかに排出されることはなく、PET画像は脳内において不均一な分布を示した。これは脳内oxytocin受容体に特異的に結合している可能性を示唆している。今後、この結合の選択性・親和性について詳細に検討する。 Estrogen受容体可視化新規PETプローブについては、現在2つの候補化合物の合成に成功しているが、これらの化合物にPET核種で標識することにはまだ着手していない。これらの化合物の脳内移行性・選択性・親和性を確認するための別のPETプローブの合成は確立されているが、安定した合成のための条件検討に現在時間を要している。評価用PETプローブの安定した合成方法が確立次第、新規候補化合物の評価を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Oxytocin受容体可視化新規PETプローブの候補となる化合物Aの合成・標識に成功し、霊長類を用いた評価系実験が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
Oxytocin受容体可視化新規PETプローブ候補化合物であるAの、oxytocin受容体に対する選択性、親和性について細胞および動物実験により詳細に研究する。また並行して類縁体の合成検討も進んでいるため、PET核種で標識、評価を行いたい。 Estrogen受容体可視化新規PETプローブについても、評価するための化合物の合成方法の最適化を早急に進め、候補化合物について評価を行う。
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Causes of Carryover |
二つの国際学会に参加予定であったが、今年度は参加しなかったため。来年度に参加予定。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Comparison of pharmacokinetics of newly discovered aromatase inhibitors by a cassette microdosing approach in healthy Japanese subjects.2017
Author(s)
1.Kusuhara H, Takashima T, Fujii H, Takashima T, Tanaka M, Ishii A, Tazawa S, Takahashi K, Takahashi K, Tokai H, Yano T, Kataoka M, Inano A, Yoshida S, Hosoya T, Sugiyama Y, Yamashita S, Hojo T, Watanabe Y.
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Journal Title
Drug Metabolism and Pharmacokinetics
Volume: 32
Pages: 293-300
DOI
Peer Reviewed