2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the Legal profession and Community in Taiwan under Japanese Colonial Rule
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16K01985
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
謝 政徳 大阪大学, 法学研究科, 招へい研究員 (10718761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植民地台湾 / 弁護士 / 東アジア法史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、植民地統治下の台湾人として初めての弁護士・葉清耀の活動をたどることにより、植民地台湾における在野法曹が果たした政治的・社会的役割の一端を解明する作業を主に行った。また、今年度も引き続き、研究課題に関連する文献や研究書を幅広く購入し、これらの資料の分析や先行研究を批判的に吟味した。 今年度の成果としては、「弁護士葉清耀と近代台湾の地域社会」(第21回現代台湾研究学術討論会〔第10回日台国際研究討論会〕「東アジアの中の台湾-過去・現在・未来を考える-」2018年8月31日、於関西大学)と題した報告を行った。葉は地域社会の人々からの訴訟依頼や法律相談などの弁護士としての活動だけではなく、地方団体の協議会員として地方行政に参画した経験を持ち、さらに、1920年代から展開した台湾人政治運動にも積極的に参加していた。このような葉の事例を通じて、植民地台湾における弁護士の役割および台湾社会が日本経由の西欧型近代法を受け入れる過程の一端を明らかにした。 また、直接本研究に関わる論文の発表をなしえていないが、明治初期日本の代言人の活動実態について大阪の北洲舎に焦点をあてて考察を行った。その成果を「明治初年大阪の法律事務所―北洲舎(1874-1880)」(『大阪あーかいぶず』第54号、2019年3月31日)として発表した。これにより明治初年日本の訴訟代理制度と植民地初期台湾のそれと比較するための素材を得た。
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Research Products
(3 results)