2021 Fiscal Year Annual Research Report
Real Image of Thai-Japanese Alliance during World War II
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16K01993
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柿崎 一郎 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (00315821)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タイ / 日本軍 / 第2次世界大戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は昨年度が本来最終年度であったが、新型コロナウイルスの影響でタイにおける資料収集が全くできなかったことから、今年度まで1年間研究機関を延長した。既に昨年度の時点でこれまでの研究成果報告書を作成したことから、本年度はこの報告書をベースに学術書の刊行を目指し、今年度の研究成果公開促進費に応募して刊行を目指した。その結果、今年度の研究成果公開促進費に採択されたことから、予定通り刊行を進めることとなった。 この学術書は本研究の最終成果報告書としての位置づけとなったが、昨年度研究成果報告書を作成する時点で資料の再確認を行う箇所が出てきたことから、タイにおける資料の確認を行う必要が生じた。幸いなことに、タイにおける入国制限も緩和されてきたことから、11~12月と3月に2回のフォローアップ調査を行うことができ、懸案であった資料の確認も行うことができた。 最終的に、タイ国立公文書館に保存されているタイ側で作成した日本人とタイ人の間の事件・事故に関する膨大な資料から、日本人とタイ人の間で発生した交通事故、騒動、窃盗、強盗・襲撃の4種類の事件・事故計3,373件と2,414人の検挙に関する情報を抽出し、地理的・時期的な分布や内容、背景、処分など様々な側面から分析を行った。その結果、日本人とタイ人の間に発生した事件・事故は開戦直後と戦争末期に数が多くなっていたものの、日本側に起因する事件・事故は開戦直後に多発したものの全体的に減少傾向にあるのに対し、タイ側に起因する事件・事故は逆に戦争末期に急増していたことが明らかとなり、日本側もタイ側も多発する事件・事故に我慢を強いられながらの同盟、すなわち日タイ同盟の実像は我慢の同盟であったとの結論に達した。
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