2019 Fiscal Year Research-status Report
日仏におけるブラジル人女性移民の生活世界の比較研究
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16K01995
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
渡会 環 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50584372)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 移民 / ジェンダー / 生活世界 / ブラジル人 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、研究成果の発信を目指した。研究成果について、英国で出された移民についての図書にて一章を執筆、そして、二つの国際学会にて研究発表を行った。だが、発表したのは日本の事例のみで、フランスの事例については所属機関での教員研究発表会でしか扱えなかった。しかしながら、日本の事例の発表を通じて、移民の生活世界の構築やキャリア形成の分析の視点などについて有益なコメントを得ることができた。これらのコメントを、次年度の、フランスの事例の分析と論文執筆の際に参照していきたい。また、国際学会の同じパネルで発表した研究者らとは、ブラジルの学術雑誌にブラジル人移民女性についての特別号の企画を提出し、現在、審査待ちである。さらに、一人の研究者とは日本での共同研究を企画し、外部資金に申請し採択された。このように、当初の研究計画にはなかったが、本研究課題を深化させることにつながる出版や共同研究を企画したことは、当該年度の研究実績だと考える。このほか、9月にはフランスで追加調査を行った。最後の調査の実施から半年を過ぎていたので、これまでのインタビュー協力者には、この間の就労状況の変化やキャリアプランの実現度など、を主としてたずねた。新規のインタビューも行った。日本でも、これまでのインタビュー協力者のフォローアップや、新規のインタビューを行った。なお、所属機関で予定していたワークショップについては、次年度の開催に向けて、発表内容と参加者を見直した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「遅れている」としたのは、当該年度は申請時の研究計画では最終年度であり研究成果の公開に専念する予定であったが、所属機関の委員会業務で多忙となったことに加え、予定していたワークショップの開催が延期となり、当初の研究計画を変更せざるを得なくなったためである。ワークショップは、参加を依頼していた研究者が辞退したこともあって、ワークショップの発表者も内容も思い切って見直して、延期することとした。次年度での開催が実現可能となったことから、本研究課題も延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度において行った日本の事例の発表を通じて、移民の生活世界の構築やキャリア形成の分析の視点などについてコメントが得られたため、これらを次年度の、フランスの事例の分析と論文執筆の際に参照していきたい。調査はいったん終了しているため、研究の成果を論文にまとめ、投稿する。次年度に持ち越したワークショップであるが、本研究が扱っていない男性移民についての発表、第二世代についての発表も含んだ形での開催を、発表者とも話し合いながら、企画している。所属機関で開催するため費用はほぼかからないが、一般公開の形で開催するため地域連携事業として助成を申請する予定である。
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Causes of Carryover |
まず本研究は、研究計画の変更に伴い、延長申請を行った。その主たる理由は、申請時の研究計画では最終年度であった2019年度に予定していたワークショップの開催を、次年度に変更したためである。ただし、所属機関で開催するため費用はほぼかからないことと、一般公開の形で開催するため所属機関に地域連携事業として助成を申請するため、次年度使用額は物品費の分のみ残した。
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Research Products
(3 results)