2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K01998
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
島田 美和 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師 (60580157)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コモンズ / 資源 / 黄河 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 海外における資料調査と会議報告および現地交流については、当初予定していた中国内モンゴル自治区フフホト市及び山西省太原市における現地調査の環境が整わず、実施することができなかった。そのため、中国山東省済南市山東大学において開催された、「現代性と地域性:第十回“近現代中国の変容と東アジア”国際シンポジウム」で「蒙疆」における資源の利用地である北京における都市水利を黄河の水利用から考察し報告を行った。それについて山東大学を中心とする中国および台湾各地から参加した中国人研究者と意見交換を行った。 また、台湾台北市中央研究院近代史研究所档案館において民国期山西省および内モンゴル地域における石炭やその他鉱物の産出に関する資料がインターネットで閲覧できるため、その収集につとめ来年度における台湾での資料調査の準備を行った。 2 国内における資料調査と研究会:慶應義塾大学東アジア研究所現代中国研究センターにおいて、中国の公共性に関する研究会を開催し、北京水利とコモンズについて本研究における資源研究の理論部分の報告を行った。また、慶応義塾大学図書館、京都大学付属図書館、京都大学人文科学研究所図書室、国立国会図書館、同関西館等で資料調査を進めた。 3 上記、資源研究におけるコモンズに関する研究成果は、小嶋華津子、島田美和編『中国の公共性と国家権力』の中で第3章「都市とコモンズ」としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」にも記したように、第一年度である本年度は、先行業績や資料状況を調査しながら資料収集を進め、第二年度における調査の準備を行うことが目標であった。しかし、現地での政治的状況から現地調査の環境が整わず、国内での資料調査と海外研究者との学術交流にとどまった。 しかし、国内調査では、本研究の理論部分であるコモンズ論について研究蓄積を行うとともに、「蒙疆」地域と黄河の水利用についての関係性について、その背景を明らかにしたことは、第一年度における予想外の成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
中国側の政治状況など少数民族地域における日本人による現地調査の敢行が難しくなったことは残念であるが、将来の調査を目指して、引き続き、国内でも可能な資料調査のための準備を進めたい。 本年度は、夏に中国河北省張家口を訪問し、張家口档案館への訪問を予定する他、台湾の国史館や中央研究院近代史研究所を訪問し、昨年遂行できなかった資料収集を行い、実証部分の検証を行いたい。また、日本史の側面から、「蒙疆」に渡った日本人技術者の足跡をたどるため、山口大学や広島大学での資料調査を行う。
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Causes of Carryover |
海外調査を行わなかったため、旅費の予算消化を行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の海外調査で予算を利用する予定である。
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Research Products
(2 results)