2019 Fiscal Year Research-status Report
移民の習い事・教え事の継承・活用・変容の基礎研究―方法論的ナショナリズムの相対化
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16K02011
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
小澤 智子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (20459978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板津 木綿子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80512334)
北脇 実千代 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20369458)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食文化 / 歴史 / 日常 / 日本 / ハワイ / アメリカ合衆国 / 環太平洋 / 移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、第16回から第25回目の研究会を開催し、プロジェクト促進に努力した。日本、ハワイ、アメリカにかかわる食文化の歴史、とりわけ人びとの日常生活における食について歴史的な資料の収集、分析、そして全体的な議論を重ねた。研究成果の中間報告として、研究代表者・研究分担者は全員口頭の研究報告を行った。 また、研究成果を出版物の形で公表できるよう、現在、原稿執筆中である。出版物は、環太平洋の食文化に関する一般の人びとの視点や経験を中心に、歴史学的な実証研究の成果をまとめた論文集である。同書で扱うテーマは、次のとおりである。20世紀前半の南カリフォルニアにおけるピクニック文化の検証、20世紀前半のカリフォルニアにおける日本人移民社会で開催された料理講習会の検証、1941年に東京で出版された日系アメリカ人女性徒が作った料理本の検証、ハワイにおけるプランテーション住民の食をめぐる多文化交流の検証、19世紀後半の横浜を中心とした茶貿易とアメリカにおける「ジャパニーズ・ティ・パーティ」創出の検証。いずれのテーマも、人びとの日常的な食文化に光を当て、ジェンダー・人種・エスニシティ・ナショナリズム・帝国主義・植民地主義・階層・宗教観などについての論考を深める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調査や全体的な議論は順調に進んでいるが、原稿を執筆し刊行物の形にするのに予想よりも時間がかかっている。そのため、期間延長を申請させていただいた。内容の側面では妥協せず、誠実な報告としての刊行物を出版するつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
いま代表者・分担者は、成果報告としての論文を執筆中であり、2020年の夏には入稿予定である。2020年度内に成果報告を出版物として公表し、研究会や学会などでの発表を目指したい。
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Causes of Carryover |
研究成果の一部を活字・口頭発表原稿としてまとめるにあたり、書籍代、資料購入費や物品購入費が必要となるため、翌年度に使用可能な予算を残した。
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Research Products
(6 results)