2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on cultural teaching/learning experiences of migrants: Relativizing methodological nationalism
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16K02011
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
小澤 智子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (20459978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板津 木綿子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80512334)
北脇 実千代 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20369458)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モビリティ / 移動 / 食 / ジェンダー / 人種・エスニシティ / ナショナリズム / 階級 / 食文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、本プロジェクトのメンバーによる計15回のオンライン会合を実施し、全体および個別テーマに関する議論を深めた。具体的には、会合では、研究調査の進捗状況、論文に含める内容(事例や先行研究の理論など)や、全体の方向性について討議した。 各メンバーは異なる事例について調査しつつも、本プロジェクトの課題であるモビリティ(移動・移住・移行)を軸にすえ、ナショナリズムの脱構築、さらに方法論的ナショナリズムの歴史学的な検証を行った。事例としてとりあげた個別テーマは、次のとおりである。アメリカ合衆国におけるピクニック文化の全盛期(1920年代を中心に)の模様、第二次世界大戦前のアメリカで発行されていた『日米新聞』における料理をめぐる言説、ハワイの砂糖黍プランテーションにおける人びとの食を介した交流、横浜での製茶貿易とアメリカでの「日本茶」消費文化、恵泉女学園への留学生が料理書『日本料理と作法』(1940年)に示した「日本文化」、風刺画誌『ジャパン・パンチ』にみる飲食物の表象、ホワイトハウスにかかわる食器、食事や料理書。全体的に、日常生活に潜む社会的な構築物(人種・エスニシティ、ジェンダー、階級、国籍など)がいかに社会規範をつくりだすかを焦点化した。また、さまざまな規範から生成される抑圧や排斥をめぐる人びとの交渉(行為者性の表出)を浮き彫りにした。成果の一部を複数の論文の形にまとめ、書籍として刊行した。
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Research Products
(6 results)