2020 Fiscal Year Research-status Report
越境するイスラーム紛争・チベット問題に関する実証研究:「宗教NGO」の視点から
Project/Area Number |
16K02022
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川田 進 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10288756)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 東チベット / ラルン五明仏学院 / ヤチェン修行地 / 政教関係 / 旅行人ノート / 宗教政策 / 中国共産党 / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、ラルン五明仏学院(中国)、ヤチェン修行地(中国)、ヤンゴンのイスラーム地区(ミャンマー)にて政教関係を調査する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大と中国少数民族地区の政情不安により海外渡航を断念した。 1990年代に東チベット地区(主に中国四川省、青海省、甘粛省、雲南省)を調査し地図を作成したT氏の協力を得て、冊子「『旅行人ノート①チベット』原図資料集」を編集・発行することができたことは大きな成果である。これは1996年に出版された『旅行人ノート①チベット』に収録された東チベット各地の地図の原図を採録したものであり、1990年代前半の交通インフラや産業、宗教活動、民族問題を把握する上で貴重な情報を含んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外現地調査(中国、ミャンマー)を実施することができなかったこと、国内出張(学外図書館での資料閲覧、宗教コミュニティ訪問調査)を実施することができなかったことが主な理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は課題研究の最終年度(当初4年間の予定、延長2回目)になるが、引き続き海外で現地調査を行うことが不可能な状況に置かれている。そこで、4年間に収集した政教関係に関する写真と動画資料を編集し、政教関係に関する資料集の作成を行う予定である。具体的にはラルン五明仏学院、ヤチェン修行地、青海省玉樹地区に焦点を当てた資料集を想定している。
|
Causes of Carryover |
海外現地調査、国内での資料閲覧を行うことができなかったため、当初予定していた旅費に残額が生じた。2021年度は新型コロナウイルスの感染状況を確認しつつ、国内出張を行い、東チベットの政教関係に関する冊子の作成と印刷、そして図書の購入を行う。
|