2021 Fiscal Year Research-status Report
越境するイスラーム紛争・チベット問題に関する実証研究:「宗教NGO」の視点から
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16K02022
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川田 進 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10288756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国共産党 / 宗教政策 / 民族紛争 / 宗教NGO / ラルン五明仏学院 / ヤチェン修行地 / イスラーム / モスク(マスジド) |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に続き2021年度もコロナ禍の影響を受け、予定していた中国、台湾での現地調査を行うことができなかったため、まとまった研究成果を出すことが困難な状況にある。当初、(1)北京の国家図書館にて宗教政策関連の文献複写、(2)北京のチベット仏教在家信徒活動拠点での聞き取り調査、(3)青海省西寧市内イスラームマスジドでの参与観察、(4)台湾プロテスタント教会での聞き取り調査を予定していたが、すべて実施することができなかった。インターネット上に掲載された情報収集を試みたが、中国政府の情報統制強化により、チベット仏教の高僧が運営する在家漢族信徒組織のウェブサイトが閉鎖されたため、断片的な情報収集に終わった。 そこで、過去の海外現地調査(1991年~2019年)で撮影した大量の写真の中からチベット仏教とイスラームに関するものを選び出し、中国四川省(色達県、白玉県、馬爾康県、康定県、甘孜県、理塘県、徳格県、石渠県、炉霍県、道孚県、徳格県、アバ県、など)と中国青海省(西寧市、貴徳県、共和県、同徳県、同仁県、玉樹県、沢庫県など)を対象とした図版資料集作成の準備を作業を行った。同時に中国書籍輸入代理店から購入した書籍、雑誌から紅軍長征、ゲダ5世、チャムド戦役、蔵回関係に関する記述を収集した。 台湾研究の面では、2019年度に高雄市と台南市で実施したチベット仏教ニンマ派道場、高雄市イスラームマスジドに関する情報をインターネット上から収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍が続く中で国内出張、海外出張を行うことが困難であり、海外での文献収集、聞き取り調査を行うことが困難であったため。加えて、中国政府のウェブ管理強化により、仏教やイスラーム諸団体のサイトが閉鎖され、十分な情報収集を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度を本研究の最終年度にする予定である。 引き続き、過去に撮影した写真の整理を行い、ラルン五明仏学院(中国四川省色達県)に関する図版資料集を作成する。
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Causes of Carryover |
海外現地調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。残額は図版資料集の印刷費に使う予定である。
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