2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study of Geriatric Care in Russia
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16K02023
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
五十嵐 徳子 天理大学, 国際学部, 教授 (80294156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者ケア / 少子高齢化 / ロシア / ペテルブルグ / 子どものキャンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2019年度は、これまでの調査を補強するために継続調査地であるレーニングラード州、ペテルブルグ市、ウラジオストク市で聞き取り調査を行った。レーニングラード州では、ソ連時代の長い休暇に子どもが過ごすことのできるピオネールキャンプの現代版である子どもの夏のキャンプ場で調査を行った。ピオネールキャンプとは異なり政治色はないものである。キャンプは3週間が一期間であり、6月からの3ヶ月に4回くらい開催されている。2年前にも同じキャンプで聞き取り調査を行った。キャンプでは3週間目の日曜日に参観があり家族と一緒に過ごせる日がある。その日に家族に同行させてもらい、両親、祖母、子ども本人に聞き取り調査を行った。ペテルブルグではキャンプ参加に対する市の補助がある。補助があってもかなりの高額であるが、仕事を持つ親にとってキャンプの存在は重要であるという。ソ連時代と異なり祖父母も年金受給年齢に達しても仕事をしているので祖父母に3ヶ月の夏休み中子どもの世話をしてもらうのは難しいからだという。高齢者の生活スタイルの変化が見て取れる。また、ペテルブルグ市では30歳代の若い夫婦に家事、育児、介護の分担状況や問題点についてインタビュー調査を行った。さらに、継続調査として弁護士のシングル女性に地方に住む両親の介護について話を聞いた。60歳代後半女性3人に介護に関する懸念等について聞いた。また、継続調査をしているペテルブルグでの介護に関する牽引役となっているユダヤ人協会所長に最近の介護をめぐる動きについてインタビュー調査を実施した。ウラジオストクではロシアの高齢者ケアの場面を扱っている映画やテレビドラマについて調査を行った。さらにウラジオストクの病院における高齢者の現状について聞き取り調査を行った。 これまでの研究結果を論文の形で4本出版した。また、国際学会での発表を1回、招待講演を1回行った。
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Research Products
(6 results)