2019 Fiscal Year Research-status Report
性同一性障害とスポーツ ~治療に伴う運動能力変化と競技スポーツへの参加~
Project/Area Number |
16K02036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関 明穂 岡山大学, 保健学研究科, 客員研究員 (20314685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久雄 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 教授 (30135967)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 性同一性障害 / 性別違和 / 競技スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに実施した健康増進施設対象、および、マラソン大会主催者対象の質問紙調査について、性同一性障害の人が競技スポーツに参加する上での問題点について再検討を行った。また、国際オリンピック委員会が示しているトランスジェンダー選手・性分化疾患選手の競技参加基準のガイドラインと、競技会への実際の出場事例、および、それに対するスポーツ選手などの反応・批判などについて、事例の収集と検討とを行った。 本研究を開始した当初は、性別による体力差が性同一性障害の治療に伴って縮小していくことが、トランスジェンダー選手の競技参加を是認する上で最重要事項の一つであると想定して、研究計画を立てていた。しかし、前述の検討を進めた結果、性別による体力差はもちろんのこと、同性同士であっても体格などによる個々人の体力差がある中で、単に体力差が縮小することをもって公平な競技条件が確保されると考えてよいのか、あるいは逆に、体力差が残っていたとしても公平な競技条件が確保されると考え得る可能性はないのかについての検討が必要であるものと考えられた。 特に、種々の遺伝的、体質的個人差がある中で、テストステロン高値を示す女子選手の体力差のみがなぜ問題とされるのかを分析することが、トランスジェンダー選手の競技参加要件を検討する上で重要であると考えられた。 そこで、研究計画を見直し、競技スポーツにおいて何を持って公平な競技条件とするのか、また、それを競技者などが公平と認めるのかに関する調査、分析を、翌年度に実施するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
性同一性障害・トランジェンダーの人の体力・運動能力測定を行っているが、十分な人数の協力者を得ることができなかった。 また、これまでの研究結果を通じて、当初想定していなかった観点からの分析が必要と考えられ、調査内容の見直しを行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き調査協力者の募集を続ける予定であるが、新型コロナの状況が落ち着いてからとなる。 次年度は新たに競技スポーツにおけるカテゴリ設定の公平性とその合意形成のあり方についての質問紙調査を実施する。 また、次年度が研究最終年度であるので、これまでの研究成果をまとめて総括を行う。
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Causes of Carryover |
性同一性障害・トランジェンダーの人の体力・運動能力測定を行っているが、十分な人数の協力者を得ることができなかった。また、年度末に学会発表を予定していたが、新型コロナ感染対策のため延期となった。 そこで、次年度は競技スポーツにおけるカテゴリ設定の公平性とその合意形成のあり方についての質問紙調査を実施する。また、次年度が研究最終年度であるので、これまでの研究成果をまとめて総括と研究に協力して下さった方への結果報告、および、学会などでの結果発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)