2018 Fiscal Year Research-status Report
西アフリカの女性による創発的組織活動:マリのシアバター生産共同組合による地位変容
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16K02038
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
園部 裕子 香川大学, 経済学部, 教授 (20452667)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会開発 / 協働行動 / 西アフリカ / 女性 / マリ |
Outline of Annual Research Achievements |
現地マリの政情が悪化しつつあり、南部地域についても外務省による渡航中止勧告が発令されているため、現地調査を実施できなかった。そのため昨年度までに収集した、連帯経済と西アフリカの女性の組織化、女性の地位の変容についての文献から基礎的知識の整理および、現地情勢について情報収集を行った。 マリ南部のバンバラ人村落を対象とする事例報告から、1970年代以降に首都人口の増加と食料などの新たな需要の増加にともない、近郊農村でも首都向けの菜園生産の開始や薪の需要増など、経済活動の変化がみられたことが分かった。これらの地域は、シアバター生産者の居住地域とも重なっているため、都市人口の増加にともなう社会的・経済的変化がシアバターの生産と需要にどう影響したのかを知る手がかりになると考えられる。 また、2018年にシアバター生産者への開発支援プロジェクトが開始され、支援元は複数化、多国籍化していることが分かった。 なおマリ南部では、北部紛争後の武器等の流入拡大および、過激派組織のリクルート活動がさかんになり、付随して住民や民族間での対立が見られるようになっている。2018年から2019年には激しい衝突も起きており、南部地域の政情が住民生活や経済活動にどのような影響を及ぼすのかも含めて、引き続き検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査先のマリ国内で不安定な状況が続いており、渡航中止勧告が発令されているため、現地調査を実施することができなかったため。予期しない出来事があった場合の調査候補地としてブルキナファソを挙げていたが、こちらでもテロ等が発生しており、慎重に検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
調査先の社会状況が改善しないため、研究計画を変更し、すでに行った調査データの分析と文献による基礎的研究を組み合わせて分析を行うことが得策と考えられる。可能であれば、首都に限って調査を行い、補足データを収集することも考えられるが、実施については慎重に見極めなければならない。
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Causes of Carryover |
調査地の事情により、予定していた現地調査が実施できなかったため。今年度中に首都に限って補足調査ができるようであれば実施する。
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