2022 Fiscal Year Annual Research Report
Post World War History of circle and gender: reorganization of life, labor and education
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16K02040
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
増田 仁 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80510560)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活改善 / 農家女性 / 戦後史 / 社会学 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、これまで書いた論文をまとめ、著書(『家庭科の社会学―生活「改善」と農家女性―』)の執筆を行った。セルトー『日常的実践のポイエティーク』やドンズロ『家族に介入する社会』、天野正子『「生活者」とはだれか』といった理論書を再読し、民衆の実践知・生活知をどのように実証していくのか知見を得た。これらの文献を参考にしながら、戦後日本の農村で行われた家政学的介入がどのように行われ、農家女性たちの自律的な生活実践がどのように行われ、どのような影響をもたらしたのかについて分析枠組みを練り直した。ジェンダー研究についても理論的に再度検討を行った。一次資料の解釈を書き加え、各章のつながりを明確にし、序章を書き直した。
家庭科のテキスト「家庭科とジェンダー」の章を執筆し、家庭科とジェンダー研究の深いかかわりを一般の人々が理解できるようかみ砕いて論じた。家事労働と性別役割分業について理論的に再考察し、ジェンダー研究が家庭科教育にどのように寄与できるかを分かりやすく論じた。
研究期間を通して3本の論文と家庭科のテキストの執筆を行った。具体的な論文名は、「高度経済成長期における農村生活の「合理化」過程とその帰結―家庭科教育と生活改良普及事業を焦点に―」「高度経済成長期における農家女性による生活記録の意味―「生活」を「書く」ということをめぐって―」「高度経済成長期におけるサークル活動と女性―家庭・地域の変革と子ども達―」である。一次資料の収集・分析を行い、日本教育社会学会で学会発表を数回行った。
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