2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02045
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
石黒 久仁子 東京国際大学, 国際戦略研究所, 准教授 (90573915)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 女性政策 / 労働市場政策 / キャリア形成 / ジェンダーとマネジメント / 人事管理制度 / 国際比較 / スウェーデン / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度平成28年度から繰越しとなったフィールド・リサーチの実施によるスウェーデンにおけるデータ収集と、研究中間時点での成果の発表を中心に研究を進めた。特に、当該年度は研究2年目にあたり、次年度の成果の発表に向けたデータを収集することが必須であり、平成30年3月にスウェーデンでの調査を、既存のデータ分析、日本国内でのスウェーデン関係者に対する聞き取り調査と同時進行して実施した。 第一に、本年度最も重要であったスウェーデンにおけるフィールド・リサーチとデータ収集を予定通り実施することができ、本研究の完遂・発展の道筋を作ることができた。 また、中間時点での成果発表は論文1本、学会発表3本、招待講演1本の、計5本の発表を実施し、それぞれに対して様々なフィード・バックを諸先生方から頂くことができた。発表後、それらフィード・バックを基に再度データを分析し、日本においてまだ多くのデータや成果が発表されていない北欧各国の企業内マネジメントと女性個々人のキャリア形成、そして各国の状況の日本との比較に焦点を絞った分析の方向性を確立した。 更に、次年度の研究発表に向けた準備を実施し、現時点でAmerican Sociological Association, British Association for Japanese Studies, Work, Employment and Society の3つの学会での発表の論文・要旨が受理された。また、関連する女性起業家に関する論文(共著)の論文投稿、次年度の論文投稿に向けた準備なども進め、最終年度に向けた研究の全体的な推進を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、1)これまでの調査・研究結果を基にした分析結果の学会、論文等での発表、2)平成28年度より繰り越したスウェーデンにおけるフィールド・リサーチの実施、3)日本国内における調査、情報収集の実施、を中心とした活動を実施した。 具体的には、1)論文:「女性管理職の仕事とキャリア:デンマーク著さからの考察」(『大原社会問題研究雑誌』NO. 703)、学会発表:「Government's Approach towards Welfare Provision and Gender Equality in the Workplace 」(4月、British Sociological Association)、「A Comparative Study of Care and Women’s Employment: Scandinavian Countries and Japan 」(9月、European Association for Japanese Studies)、「Work-family policies in comparative perspective: Japan and Netherlands」(平成30年3月、Association for Asian Studies)、招待講演での発表「 「Women’s Entrepreneurship in Japan and China」(共同:6月、於日本女子大学)の計5本の発表を実施した。 上記の成果に加えて、2)フィールド・リサーチについては、国内コンタクトを基にした情報収集に加えて、平成30年3月にスウェーデンでのインタビュー調査(在スウェーデン日本企業の人事施策と女性マネジャー4名)に対するインタビューを実施し、最終年度(平成30年度)での論文・発表の為の資料・情報を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度は、1)過去2年間の調査・研究で得たデータの整理と分析、及び情報収集の継続、2)論文、学会での研究成果の発表、(論文:「Asian Business and Management」「Work, Employment and Society」「日本労働研究雑誌」「東京国際大学論叢」に投稿予定、学会: 8月:American Sociological Association、9月:Work, Employment and Society、British Association for Japanese Studies、以上発表決定済み)を行い、3年間の研究成果を、広く社会に還元していく予定である。 過去のフィールド・リサーチ、データ分析から、比較対象である北欧諸国は各国異なる歴史、経済、社会的背景を持つものの、1)労働力の貴重な担い手としての女性、2)性差に関わらず個々人の役割と意志を尊重する社会的合意、3)上記2点を踏まえた、1950年代から始まる、政・労・使協調のうえで作られた経済・雇用・福祉システムの実施、をベースとした企業マネジメント及び個人のキャリア形成が、それら各国での女性の活躍を支えていることが重要な知見として得られた。 以上の点を中心に、今後日本の事例と状況と比較分析しながら、前述の各成果発表に向けて更に分析・執筆活動を続けていく予定である。また機会を見つけ、学会のみならず、企業や大学などでの情報の共有も進め、広く社会への研究の還元を目指す。
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Causes of Carryover |
当該年度において実施したインタビュー調査のテープ起こしを、次年度に繰り越したため。
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Research Products
(6 results)