2017 Fiscal Year Research-status Report
18世紀イングランドの別居訴訟―男性専門家たちの働き
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16K02046
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
赤松 淳子 文京学院大学, 外国語学部, 助教 (60723004)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イングランド / 18世紀 / 別居訴訟 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀イングランドの妻たちが夫婦間の別居訴訟において、自身の婚姻上の権利と利益をどのように追及したのかを弁護士と裁判官の働きを中心に明らかにするものである。2年目にあたる2017年度は、前年に入手した一次史料の分析を進めつつ、今後読む一次史料の調査を行った。 一次史料分析については、昨年度、Cheshire Archives and Local Studiesにて入手した18世紀前半のチョムリー家の文書(ペネロピ・チョムリーとジェイムズ・チョムリーの別居に関する手紙)を理解するために、二次文献を購入し、史料読解のための基礎作業を進めた。 ロンドンを中心とする複数の文書館を訪問し一次史料を調査した。18世紀の別居訴訟の上訴システムおよび教会裁判所弁護士の手稿を調査するために、The National Archives、 Lambeth Palace Library、 London Metropolitan Archives、Kent History and Library Centreを訪れた。 近世イングランド女性史の研究動向として、女性の法への関わりが近年の英米の学会で議論されている。2017年にウェールズにて開催されたワークショップ(Women Negotiating the Boundaries of Justice: 2017年11月)に聴衆として参加したことをもとに、同テーマのなかでも「妻と法」を対象として、これまでの研究を整理し、今後の展望を示す論を発表した(『史境』75号、歴史人類学会)。また、公開講座において18世紀イギリスの夫婦間暴力に関する講義を行った。近世イギリス女性史を探求する意義・魅力を幅広い層に伝える機会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の報告書に記載したとおり、2017年度は史料の状況から研究の方向性を定かにする必要があった。実際に文書館で調査をした結果、今後の作業の見通しが明確になった。当初の予定では、国王代理官裁判所とロンドン主教裁判所の記録から裁判官の情報を網羅的に入手したうえで、複数の裁判所の連携を検証することになっていたが、これを達成するためには現地に足繁く通い、予想以上の作業量をこなすことが必要になることが判明した。プロジェクト期間内に成果を出すのは難しいと考え、弁護士の手稿を軸に研究を進めていくことにした。後者に絞ることでより現実的な作業量にもとづく成果を出すことができると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度はチョムリー家の史料の分析を終え、学会発表や論文をとおして発表する予定である。2019年度は教会裁判所弁護士の史料の分析、補足史料の調査、および論文執筆を行う。
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Causes of Carryover |
2017年度の残額と次年度分を旅費と図書購入にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)