2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02059
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
池川 玲子 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50751012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジェンダー / 野球 / 女子教育 / 共学 / 応援 / スポーツ / チアリーディング / 芸能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、男子のスポーツ大会である高校野球全国大会(「甲子園」)の百年間の歴史を通じて、日本近現代におけるジェンダー統治システムのメカニズムの解明を目指すものである。 本年度は、女子応援団についての個別具体的な調査を継続するとともに、検討対象を、女子マネージャー、プラカードガール、ブラスバンド部員など、「甲子園」において、さまざまな役割を担う存在に拡大し、資料収集を行った。また、現在発展中の女子野球に関する調査を新規に開始した。具体的には、以下の通り。 1.和歌山県、福井県、大阪府、兵庫県、京都府、愛媛県などの公立&市立図書館を訪問し、大会出場校年史類や生徒会雑誌などを閲覧の上、女子応援団、女子マネージャーに関する個別具体例を収集した。2.大正期に大会出場選手が招待されていた宝塚少女歌劇団に関する調査を、池田文庫などで実施した。3.バトントワリングが「甲子園」に導入されるに至る歴史を、在日米軍ハイスクール、音楽プロダクション、警察音楽隊の各方面から調査検討した。4.女子野球に関する調査を開始した。①戦前の高等女学校における部活動調査②戦前に、男性アマチュアチームに所属していた女子選手に関する調査③占領期の女子プロ野球リーグに関する調査④現在の全国高等学校女子硬式野球大会に関する実地調査など。5.今後の検討作業のためにこれまで収集したデータの一部を電子化し、ビッグデータ的な利用の試行をはじめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、女子応援団に関する調査は、ほぼ終了した。新規に出来したテーマである女子野球の歴史に関しては、戦前の女子選手のご遺族とコンタクトを取り、資料提供を受けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き出版企画を進めていく。
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Causes of Carryover |
映像調査については、フィルムセンター所蔵品ではなく、市販された映像の視聴を中心に実施した。調査旅費についても、他の研究企画や招聘企画と合わせるなどして倹約を試みたために、当初予定より低くなった。 本年度には、フィルムセンター所蔵映像の視聴を集中的に実施する。
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Research Products
(2 results)