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2016 Fiscal Year Research-status Report

ツーリズムによる災害復興に関する観光社会学的研究 ー居住者の生活の立場からー

Research Project

Project/Area Number 16K02087
Research InstitutionToin University of Yokohama

Principal Investigator

大野 哲也  桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授(移行) (40598075)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords災害復興 / ネパール / ガイドブック / 世界遺産 / ボランティア / ツーリズム / 生活の論理
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、2015年4月にネパールで起こった大地震を事例にして、災害復興とツーリズムの関係性をガイドブックという視点から考察し、大規模災害が頻発する現代社会において、従来とは異なった視点から、大規模災害からの復興における、手段としての観光の新たな貢献可能性を提示することにある。特に、「災害からの復興」と「ツーリズム」と「地域住民の生活の論理」の3つの視点を関連づけながら、地域社会の再構築について検討する。
上記の目的に対して、先行研究の整理をしつつ、8月には宮城県気仙沼市でボランティア・ツーリズムについてのフィールドワークをおこなった。また、その後はネパールのカトマンズ盆地に位置するパタンにおいて現地調査をおこなった。さらに、帰国後の10月にはネパール地震後に災害ボランティアとしてネパールで活動していた学生ボランティアに東京で聞き取り調査を実施するとともに、彼らが実施したセミナーに参加して意見交換をおこなった。2017年2月には、インドネシア・バンダアチェにて震災遺構を活用したツーリズムについての調査をおこなった。
こうした調査と並行して日本で代表的であるガイドブック『地球の歩き方 D29 ネパール』編の「2013~2014年度版」と「2016~2017年度版」におけるパタンのパートで使われている写真の比較分析をおこなった。この分析では、調査者が現地で同じ場所、同じ角度から撮った写真と、そこから「引いた」アングルで写した写真も活用した。
先行研究の整理、気仙沼市とパタンでの現地調査、東京でのインタビューとセミナー参加などのデータをまとめ、分析をして桐蔭横浜大学の紀要である『桐蔭論叢』に「災害復興とツーリズム(1) ーネパールの世界遺産とアクターネットワーク理論ー」と題した論文を執筆した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の1年目の研究計画は「災害復興における観光学の理論を整理するために先行研究をまとめるとともに、カトマンズ・パタン地区、神戸、東日本、東京などで調査を行う。」というものだった。
この研究計画にたいして、おおむね計画通りに調査・研究をおこなうことができた。ただし、唯一のマイナスポイントは、2017年3月に予定していたネパール・パタン地区における調査を、調査者が肺炎に懸かり、出発前日にキャンセルせざるをえなくなってしまったことである。これによって、前回の現地調査から次回の現地調査まで1年の空白期間ができてしまった。
そのような「失点」はあったものの、それ以外の調査・研究では順調に推移している。気仙沼市、東京、ネパール、インドネシアでおこなったフィールドワークでは多くのデータを収集することができた。それによって、災害復興についての課題や、ツーリズムがそれに果たせる役割についての可能性も、改めて実感することができた。
また、震災以前に出版されたガイドブックと震災以降に出版されたガイドブックの比較研究においては、予想以上の分析・考察をおこなうことができた。さらに、その分析・考察をもとにして、2017年3月に論文を執筆し、投稿できたことは大きな成果であった。論文はすでに掲載されることが決定し、5月初旬時点では、初稿の推敲をしている段階である。

Strategy for Future Research Activity

2年目の研究計画は「1年目の調査を継続しつつ、1年目の成果と宮城県気仙沼市(2013~)とカトマンズ(2004~)で行ってきた研究データを比較検討する。またカトマンズ、スマトラ、四川、日本各地で調査を行う。」というものである。
この計画に対して、日本では、神戸において震災という経験を、現在、ツーリズムという側面でいかに活用しているのかということについての調査をおこなう予定である。海外の調査は、ネパール・パタンでの調査・研究の継続と(2017年8月と2018年3月の2回を予定している)、中国・四川に赴き当地における震災遺構を活用したツーリズムの現在の状況について現地調査をおこなう予定である。
また、2017年7月に開催される観光学術学会と、11月に開催される日本社会学会での学会発表も予定している。さらに、次号の『桐蔭論叢』にも論文を投稿する予定であり、初稿はすでに完成している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] 災害復興とツーリズム(1) ーネパールの世界遺産とアクターネットワーク理論ー2017

    • Author(s)
      大野哲也
    • Journal Title

      桐蔭論叢

      Volume: 36 Pages: 139-147

    • Open Access / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2018-01-16  

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