2016 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校の修学旅行に必要な配慮や支援に関する研究
Project/Area Number |
16K02088
|
Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
松本 和久 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (40635348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和夫 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50760758)
櫻井 康博 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40741088)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 特別支援学校 / 修学旅行 / 配慮や支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
岐阜県の特別支援学校21校を対象として,2017年2月に質問紙調査を実施した。調査内容は日本修学旅行協会(2016)を参考にし,2016年度に実施した修学旅行の概要,活動内容,配慮事項であった。特別支援学校21校全てから回答が得られ,そのうち2016年度に修学旅行を実施した小学部18校,中学部19校,高等部20校を分析対象とした。 実施した配慮や支援の内容を,(1)旅行会社を通して依頼したこと,(2)学校側が直接依頼したこと,(3)学校側で自主的に配慮したこと,(4)当日現地で依頼したことに分けて,①移動,②宿泊,③食事,④買い物,⑤見学・体験,⑥その他の観点から自由記述で回答を求めた。例として(1)旅行会社を通して依頼したことのうち,①移動,②宿泊,③食事について,多かった回答を挙げる。 ①移動 車いす席や多目的室のある車両の利用(小学部5件,中学部11件,高等部4件),リフト付きバスや福祉タクシーの利用(小学部1件,中学部8件,高等部5件),休憩時間や頻度の配慮(小学部1件,中学部3件,高等部6件),航空機利用に関して(高等部5件)などであった。 ②宿泊 車いす対応客室の利用(小学部3件,中学部7件,高等部5件),トイレと浴室が分かれている部屋の利用(小学部2件,中学部7件,高等部2件),浴場の貸切(小学部5件,高等部3件),不要物の撤去など安全対策(小学部2件,中学部5件,高等部4件),防水シートなどの夜尿対策(中学部5件)などであった。 ③食事 アレルギーへの対応(小学部3件,中学部6件,高等部11件),二次調理への対応(小学部5件,中学部5件,高学部7件),個室の利用(小学部2件,中学部5件,高等部5件)などであった。 調査結果から,通常の学級の修学旅行とは異なる特別支援学校の修学旅行ならではの配慮や支援について,具体的な内容の一端が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目は,特別支援学校の修学旅行に実際に同行することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究成果は,日本特殊教育学会第55回大会(2017年9月)で発表するとともに,岐阜聖徳学園大学教育実践科学研究センター紀要に投稿予定である。 2年目以降は特別支援学校の協力を得て,1年目の調査結果をもとに修学旅行の計画段階から必要な配慮や支援について具体的に検討していく。そして,小学部と中学部は2017年10月,高等部は2018年5月に実際に修学旅行に同行し,配慮や支援の在り方について検証する予定である。
|
Causes of Carryover |
1年目は実際の修学旅行に同行しなかったため,旅費の支出額が予定より少なくなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目は特別支援学校の協力を得て,修学旅行の計画段階から必要な配慮や支援について具体的に検討し,実際に特別支援学校の修学旅行(小学部・中学部)に同行して検証する。そのため,研究代表者や研究協力者の修学旅行下見や当日の旅費に充てる予定である。
|