2016 Fiscal Year Research-status Report
文化と産業が融合する産業観光モデル構築に関する研究
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16K02091
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
古池 嘉和 名古屋学院大学, 現代社会学部, 教授 (50340063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 輸出陶磁器 / 広域分業 / 産業観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は基礎調査フェイズであり、申請書に掲げた以下の4つの課題に対する調査研究を実施した。課題(1)「名古屋陶磁の構造を明らかにするための基礎調査」の「A.文献調査と体系的整理」については、寄贈を受けた㈱日本陶業新聞社の資料/データの文献リストを作成(作業終了)し、そこから引き出される構造的特徴の整理を継続的に行っている。また、「B.聞き取り調査」については、瀬戸の陶磁器業界関係者・陶磁器工業組合関係者、名古屋の陶磁器組合関係者・流通業界関係者等への聞き取り調査を行った。 課題(2)「名古屋陶磁関連地域の文化的資源の蓄積状況の把握」については、2011年度に文化庁補助事業(平成23年度文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業)を受けて作成した「界隈創世 やきものの未来へ」を基に、現存する資源の再整理を行っている。その際、分類の視点として、可視的な資源(建築物等)と非可視的な資源(製法、技など)に分けて整理を行っている。 課題(3)「名古屋陶磁の広域分業体制の歴史的特性」については、文化資料体を元に1970年代の瀬戸の状況を分析した。文化資料体としては、「公益財団法人日本陶磁器意匠センター」において保存されている「意匠認証申請書(瀬戸出張所分:1970年7月以降)」を元に、当時の製品特性を分析した。その上で、瀬戸と名古屋の当時における生産/流通過程における広域的な分業の状況について分析を行っている。 課題(4)「瀬戸・美濃における現状分析」については、陶磁器工業協同組合関係者・行政関係者などへの聞き取りを通じて現状把握に努めた。同時に、生産拠点へのフィールドワーク調査を行い資源の分布状況などを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請段階で入手していた資料の整理は予定通り終了したが、その後、調査を進める中で新たに「一般財団法人名古屋陶磁器会館」、「公益財団法人日本陶磁器意匠センター」などから貴重な資料やデータを入手することができた。そのため、平成28年度における基礎調査分析の対象となる資料が大幅に増加し、その分析に時間を要したため、当初予定していた平成28年度において、そのすべてを完結できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
分析対象となる資料やデータをすべてにわたって分析することは、時間の関係上困難であるため、平成29年度において予定している「実践研究フェイズ」における議論に必要な資料の分析を優先し、その他の積み残した資料の分析は、この課題における研究が終了した後に、別途、分析を深めていくこととする。
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Causes of Carryover |
物件費として見込んでいた関連図書購入費用(100,000円)と作品図録購入(100,000円)については、寄贈された図書が多く、当面、購入する必要がなくなったことにより、その一部に残額が生じた(次年度使用額相当分)。また、整理・分析対象となる文献やデータが予想を超えて収集されたため、人件費・謝金が必要となり、国内旅費の残額とその他の経費を充当することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分析対象となる文献・データの量が当初見込みより大幅に増えたため、そのための人件費・謝金に充当することにしたい。
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Research Products
(3 results)