2017 Fiscal Year Research-status Report
文化と産業が融合する産業観光モデル構築に関する研究
Project/Area Number |
16K02091
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
古池 嘉和 名古屋学院大学, 現代社会学部, 教授 (50340063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 物語観光 / 輸出陶磁器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、瀬戸や多治見など名古屋を核とした広域都市圏の中で、陶磁器に関する諸資源を編集/整理し、それらを物語として編集することで、新たな創造が生れる観光モデルを構築することにある。 平成29年度は、主に、瀬戸と名古屋における輸出陶磁器に関する資源の調査を行った。現有する展示施設や、業界組合関連施設、教育(人材育成)施設、伝統技法継承活動団体などの分布状況を整理した。その結果については「瀬戸と名古屋の文化・観光資源」(名古屋学院大学研究年報第30号pp.67-75、2017年12月)において発表した。瀬戸については、別途、その特徴を色濃く示している「ノベルティ」の特徴を把握するため、平成28年度に引き続き「意匠認証登録証」を分析した。平成29年度は、1970年当時の傾向を把握するため5カ年の経年変化を分析し、その結果を「意匠認証制度から見た瀬戸輸出陶磁器の特徴(その2)―1970年7月~1975年6月の実態分析―」(名古屋学院大学論集社会科学篇第54巻3号pp.26-273、2018年1月)において取り纏めた。 また、多治見市内における資源編集した観光振興の事例分析を行った。対象地区は、市内3箇所(本町地区、市之蔵地区、高田・小名田地区)であり、それぞれの地区の歴史や資源の分布特性などを踏まえて評価した。その結果については、「多治見市における産業・文化資源活用政策の一考察」(日本文化政策学会第11回年次大会、2017年9月)において、口頭発表を行った。 さらに、「広域産業観光研究会」を年度内に2回開催し、主として瀬戸と名古屋における輸出陶磁器の資源を編集した物語観光についての議論を行った。美術館の館長やまちづくり/旅行関係の専門家とともに、議論を重ね、その成果は、「物語、観光と文化資本」(名古屋学院大学社会科学篇第54巻第4号pp.183-189)に纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「瀬戸ノベルティ」の分析に想定以上の時間を要したため、他の資源の整理に十分な時間を避けなかった。そのため資源の整理が不十分になったが、それは際限なく広がるため、同時並行する形で、資源編集と観光モデルの構築に向けた作業を行った。そのため、「広域産業観光研究会」を立ち上げることとしたが、人選や所属先への依頼、日程調整などに手間取り、開催時期が予定より大幅に遅れた。また、他産地への視察についても、平成29年度内に実施することができなかった。これらのことから、全体としてやや遅れているの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
「広域産業観光研究会」を開催し、文化と産業を融合した産業観光モデルの構築を行う。その際、不足する資源や物語形成上に必要な歴史的な事実についても追加的に調査を行う。同時に、他産地も調査しつつ、産業と文化が融合した観光モデル化に努めていく。
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Causes of Carryover |
広域産業観光研究会の開催時期がずれたため、予定していた議事録の作成や資料の整理などの人件費が積み残しとなった。また、昨年度予定していた視察を今年度実施することで旅費の支出を行う予定である。
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Research Products
(4 results)