2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Integrated research on space and regulation by epidemiology, geography and sociology
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16K02094
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
太田 健二 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (60506997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野田 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (00356263)
村田 陽平 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (10461021)
伊藤 ゆり 大阪医科大学, 研究支援センター, 准教授 (60585305)
永井 純一 神戸山手大学, 現代社会学部, 准教授 (90552828)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 受動喫煙 / 健康増進法 / ナイトタイムエコノミー / 風営法 / オリンピック / インバウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた受動喫煙対策の推進と、改正風営法によるダンスクラブなどのナイトタイムエコノミー(ナイトエンターテインメント)のあり様を分析・考察してきた。 2018年度は、屋内完全禁煙の飲食店を紹介するWebサイトの聞き取り調査や地理学の視点から行った受動喫煙対策の地域調査から、2018年6月に東京都受動喫煙防止条例が策定された影響で都内の飲食店は屋内禁煙にする傾向が顕著に見られた。一方で、関西や地方都市での遅れや電子タバコの規制状況など新たな課題も発見された。また、米国における食品医薬品局(FDA)によるたばこ規制の枠組みおよび歴史について日本との比較検討を行い、米国では歴史的に政府とたばこ産業が独立した関係にあり、国営企業としてたばこ産業を育成してきた日本とは大きく異なることが明らかとなった。 風営法改正後の遊興空間に関しては、2018年、インバウンド消費につながるナイトタイムエコノミーを活性化するために、渋谷区ではナイトメイヤーを創設する動きが見られた。同年7月にカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法(特定複合観光施設区域整備法)が成立し、2025年日本国際博覧会の開催が決定した関西でも、ナイトエンターテインメントのゾーニング化が促進されつつある。また、外務省や観光庁が後援する大型のイベントでも、インバウンド消費の意図が見られたが、たばこ産業も並び、上記の受動喫煙対策とは矛盾する動きも確認された。統合型リゾート(IR)のモデルでもあるマカオにおけるナイトエンターテインメントのフィールドワークからは、経済的価値が優先され、文化的意義がおざなりにされている懸念が示された。
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