2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Omotenashi, Japanese hospitality, as a service business in the tourism industry
Project/Area Number |
16K02096
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
森下 俊一郎 九州産業大学, 地域共創学部, 准教授 (10735228)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | おもてなし / 宿泊業 / サービスマネジメント / 顧客満足 / 観光産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国の「おもてなし」が、特に観光産業において国内外から注目されている。欧米のホスピタリティ・マネジメントは学術的に体系化され、実務でもそのオペレーションが形式知化され、グローバルに事業を展開する外資系ホテルを中心に日本でも一定の成果を収めている。一方、「おもてなし」は、日本人の国民性、歴史や文化など暗黙知化されている要素が強く、そのマネジメントという考え方は一般的ではない。日本独自の伝統的な「おもてなし」を活かした経営は、大資本を必要とせず成功している事例もある。おもてなし」を経営に活かすことで、顧客満足を得て、業績を伸ばしている企業が散見されるものの、多くは結果に結びついていない。本研究は、観光産業を対象に「おもてなし」の特徴を分析し、どういった特徴が顧客満足向上に関係し、なぜ、どのように寄与するのか、「おもてなし」と顧客満足との関係について定性(事例研究)および定量(アンケート調査の統計分析)の両アプローチから解明した。本研究では、(1)観光産業において顧客満足を得る「おもてなし」の特徴(因子・要因)、(2)「おもてなし」に優れた組織の成功要因、(3)「おもてなし」の優れた従業員の知識を組織全体で実践するためのマネジメント、といった3つのサブテーマを設定し、観光産業におけるサービスとしての「おもてなし」のマネジメントのモデルを提示した。本研究によって、観光産業において顧客満足を得るため「おもてなし」の知識や技能の組織的展開のために、「おもてなし」をどうマネジメントすべきかといった実務的方策を提示すると共に、「おもてなし」の経営学の視点から学術的な体系・理論化を行った。こうした本研究の成果は、今後「おもてなし」のマネジメントのビジネスモデルとして、他の組織へ展開できる実務的な貢献も期待できる。
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Research Products
(9 results)